人気ブログランキング | 話題のタグを見る

11月24日  「Made in England」



momotosedo`s
21st Century
Dandy

  


DID YOU KNOW?
DID YOU KNOW?
DID YOU KNOW?

Art&ClassiC

11月24日  「Made in England」_f0178697_23291834.jpg

六義の秘密
Made in England
ClassicEnglishSocks
Secret Pleasure only for client



「ソックスは足元のタイである」、
(copyright 2009 momotosedo R.H. )

5年前に「六義庵百歳堂」にそう記したように、「装い」は足元まで貫徹してこそ「装い」となる、
東京に戻ってきて街を歩いていて違和感を覚えたのも、先ず磨いていない傷だらけの靴を平気で履く男と、その足元のソックスだった、そしてソウいうヒトに限って「ブランドの情報」に左右されている、

「スタイル」とは「明確な意志」である、本当は「知らないうち」に身についていたというのが品があって望ましいけれど、そうでない我々はモノごとの本質を「知る」ことから「意志」を固め始めなければいけない、

靴文化が浸透して日が浅い我が国では、いまだ「ソックス」について体系的(?)かつ理論的(?)もしくは悦楽的にも説き明かした書物、先人は残念ながら見当たらない、


ClassicEnglishSocks



ソックスは「装い」を決定する「足元のタイ」である、これは、靴ズレを防ぐ防御のものでなく、オペラ帰りの真冬のウィーンの凍てつく舗道から忍びよる冷気を防ぐためだけでもない、ましてやサンタクロースのプレゼントを受け取るためのものでもない、


これは「タイ」として捉えるべきものだ、


ヒョンなことから「Bespoke Tailor」と「Bespoke Shoes」のパーソナルショップを開いた私が、納得できるソックスをつくろうと思うのは極く自然の成り行きに思えた、幾分、エゴイステイックに我儘な私は、それにかこつけて自分用の理想のソックスを手にいれようとしていた節もある、シメ、シメ、、、

しかし、これは「構想」から指折れば、、ひぃ、ふぅ、みぃ、、実に四年の歳月をかけている、ある意味では「Bespoke ClassicTie」より面倒なミッションだった、いくら、六義は「研究し続けながら、Bespokeを革新していく」(copyright 2009 momotosedo R.H. ) と広言していてもだ、、、



ClassicEnglishSocks



こと「ソックス」に関しては、我々は「危機的」状況にある、この4年間で掘り起こした現実を知れば、貴方も悲嘆にくれることだろう、

私が調べた限りでは、「ソックス」の転換期は16世紀後半にある、それは一台の「ニッティング マシーン」の発明による、それまでは、これは「手編み」のものだったのだ、そう、プルオーヴァーと同じく、ソックスの本質は「ニット」であることを忘れてはいけない、

ニットに限らず、織物も「機械」の改良とともに「歩ん」できている、「100年素材」の研究では、この「機械」の研究は外せないものだが、この数世紀、「機械」はヒトの手を煩わせるものから、「機械」が「機械」を制御するものへと「進歩」している、


誤解を恐れずに云えば、この「手を煩わせる」ところに「質」が生まれる、
いま「ハンドニット」と呼ばれるものの多くは、正確には完全な「手編み」ではなく「ハンドフレームド」ニットと呼ばれるもので、省略して云うならば機械で編まれたものを「手」で組み立てるというものだ、これは悪いわけでもなく、よく考えられたものは「手編み」では適わない精緻さと、「手」の処理によるクラフト性をもっている、


そして、私の「理想とする」ソックスを探し求める旅も、「そういう機械」を探すことから始まった、


ClassicEnglishSocks



何故、「そういう機械」が必要かというと、この機械ではソックスの「つま先」が未処理のまま出来あがるのだ、それをヒトが「手」で「繋いで」完成させる、、「繋ぐ」、、つまり、このソックスにはつま先に「縫い目」が存在しない、


大概の今のソックスは、つま先に「縫い目」がある、「縫い目」は履いたときにストレスになり、「縫い目」があるのとないのでは格段に履き心地が違う、

たかが「縫い目」と云うなかれ、それは大きく違う、「縫い目」のない良くできたソックスは、文字通り「ふわり」と貴方の足をくるむ、我々のゴツゴツと醜い足も王侯貴族のように丁重に包んでくれる、


紳士のソックスには「縫い目」があってはならない、「素材」や「柄」も大切だが、ここがソックスの「本質」だ、



そして、簡単に「手で繋ぐ」という作業にも当たり前だが熟練を要する、その技を習得するのには少なくとも5年の鍛練が必要だそうだ、

多分、この5年という月日と、ヒトの「手」がかかるという理由によるのだろうが、我々がノンキに構えている間に「ソックス」さえ、その「本質」をひっそりと葬り去ろうとしている、


「ソックス」に限らず21世紀は、そろそろ「流行」でなく「本質」に気づくべき時代だと思う、「星ステッチ」や「キスボタン」など、奇妙に的外れな「情報」を「質」と勘違いし惑わされがちな我々が「真実」に気づいてさえいけば、モノごとの「本質」も「当たり前」のコトとして健全にあと一世紀ぐらいは残っていくかもしれない、


ClassicHaberdasherを立ち上げた理由も、実はそこにある、「情報」ではなく、より具体的な「モノ」を形作り届けることで「本質」を探る「愉しい」訓練をみんなと分かち合いたい、

ただ、そうは云っても「情報の檻」から出られない人も多い、


ClassicEnglishSocks



当初、私は「このソックス」を国内でつくろうとしていた、何故ならば「インダストリー」に組しないと決意した私には運賃や関税など「制作原価」に関係のないコストがかかるのも歯がゆかったし、もうひとつは、これは私の勝手な我儘かもしれないが、そういうものを国内に残しておきたかった、

しかし、結果は残念ながら「構造的」に無理だと判断せざるを得なかった、



国内の「靴下」工場は、兵庫県の加古川市に集まっている、私は先ず「そういう機械」が工場に残っているかどうかを確認し始めた、この過程で多くの工場の担当者の方とお話をさせて頂き、とても興味を持って頂き、丁寧にご対応頂いたが、根本的なところではやはり噛み合わなかった、


多分、私が「変わった柄」のソックスを作りたいだけだろうと捉われたのだと思う、「縫い目がない」ことはさておいて、「素材」(私はコットンではなくメリノウール、それもシルキーなハイゲージのエクストラファインメリノで作りたかった、)、「ボデイ」(日本人の小さな踵にしっかりフィットさせたかった)、「長さ」(とにかく、日本のソックスは短すぎる、ロングホーズのことではなくレギュラーソックスそのものが異様に短い、)、と話が進むにつれ、これはソックスそのものの「捉え方」が違うのだなと気づいた、


例えばこんな具合、

「アノ、コットンじゃなくてメリノウールでつくりたいんですけど、、、」

「ウール?、冬物ですか、、」

「イヤ、一年中履けるエクストラファインのメリノが、、、」

「エキストラ?」


「イヤ、イヤ、ともかく縫い目がないのが良いんですが、、、」

「縫い目?ですか、、」

「履き心地が良いンですよ、、」

「アっ、じゃあ5本指のソックスとかはどうですか、、」

「5、本、指、ですか、、、」

一瞬、クラシックバーズアイの5本指のソックスが浮かんでクラクラしたが、慌ててそのビザールなイメージを打ち消した、、、



「履き心地」の追求というよりは、我が国ではせいぜい「良い消耗品」ぐらいにしかソックスは捉えられていない、しかし、これは我々のせいでもあると思う、


ClassicEnglishSocks



というわけで、私はイングランドの片田舎まで赴かざるを得なかった、
ここには、今だにキルトに合わせるニーハイのハンティングソックスが、ガーターと呼ばれるタッセルがついた紐とともに「ビスポーク」できるソックスメーカーが存在する、


私を出迎えてくれたのは、英国が誇る「ヒネった」コメデイアンのステファン・フライを少し小太りにしたような担当者だった、、、

「アー、縫い目の無い、手でつま先を繋いだソックスをつくりたいんだけど、、」

「もちろんですとも、紳士のソックスに縫い目があってはなりません、、オオ、縫い目のあるソックスなんて、、考えただけでもオぞましい、、」
担当者氏は、本当に苦悶の表情を見せ、放っておくと悶絶死しそうに見えて、私は慌てて話題を変えた、


「アー、コットンじゃなくて良いメリノウールでつくりたいんだけど、、、」

我が意を得たりと、先ほどまで今にも悶絶死しそうだった担当者氏はガバっと起き上がるやいなや、稲妻のようにまくし立てた、

「もちろんですとも、紳士のソックスは極上のファインメリノであるべきです、、、最上のものはシルキーで、とくに、我が社独特の編みは、冬は空気を含んで暖かく、夏は湿気を放出して涼しい、ワタクシどもでは専用の牧場の専用の羊から特に繊維が細く長いエクストラファインのメリノを選び、アァタ、その肌ざわりの心地良いことといったら、、、」
終には「極上の肌ざわり」を想い出したように両手を握りしめ「天国の方」を夢見る目つきで見上げはじめた、


「アー、カシミアのソックスもつくりたいね、、」

「フ、フ、フ、旦那、良いカシミアがありますゼ、モンゴル産のとくに内側の細い毛だけを集めたホワイトカシミア、旦那もワルよのう、
しかも、ナイロンファイバーの周りにカシミアをツイストさせてますから、肌ざわり、風合いはカシミアそのままで丈夫ときたモンダ、」


「アー、クラシックな柄が良いんだよね、近頃のアーガイルなんか変にデザインされてて、、」

私の質問を手で制し、担当者氏は急に襟を正して、
「もちろんでございます、我々のソックスは歴代の王様にもご愛用頂き、本物のアーガイル、本物のバーズアイ、ご希望とあらば我が社のアーカイブを全てお見せします、
どうぞ、なんなりとお申しつけ下さい、」
、、、、


こうでなくっちゃ!

ClassicEnglishSocks



良いソックスは、良いラストで仕立てられたビスポークシューズのように履くと「気持ち良い」、

ソックスは「二の次、三の次」の「消耗品」ではない、実はここに「装い」の愉しみが潜んでいる、ソックスは「足元のタイ」である、


そして、この「良いソックス」は、気軽に適正な値段で手に入るべきものだ、

そのためには、そういうシステムを一緒に創り上げる「仲間」が必要だ、ClassicHaberdasherのメンバー諸兄、どうぞ、よろしく、





ClassicEnglishSocks」 

¥2,800~(税込み¥2,940~)
(ClassicEnglishSocksは、「ClassicHaberdasher」と銀座アトリエにて、、ただ、銀座アトリエは僭越ながら「完全予約制」です、)





*僭越ながらアトリエは完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
phone 03-3563-7556
telefax 03-3563-7558




『*「ClassicHaberdasher」も早や半年目を控え、色々考えたのですが、やはり「ブログ」とは一線を引いた会員を限定した愉しい「クラブ」のようなものをつくりたいと思っています、
ただ、「クラブ」ですから「ルール」が存在します、
僭越ながら、第一期のメンバーにつきましては、12月2日をもちまして締め切らせていただきたいと存じます、

2010年からは、少しシステムを変えて、「ClassicHaberdasher」へシンパシーを感じていただき、会員登録をご希望され、仲間になってやろうという方は、

bespoke@rikughi.co.jp

まで、ご連絡を頂ければ、ご説明のうえ「ID」と「パスワード」を発行させて頂きます、


いっぱい愉しみましょう、

R.H. 』






copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi Hanakawa all rights reserved

by momotosedo | 2009-11-24 12:00 | ■六義の秘密


<< 12月8日  「R.G.Y.C... 11月16日(冬空)  「Be... >>