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4月25日(大雨らしい) Tales of the City 2. 「A Rare Treat」





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21st Century
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「 A Rare Treat


いまも優雅なアールデコ様式を誇るクラリッジスの隣、ブルックストリートに我がクラブはある、建物は18世紀に建てられたロンドンでは珍しいフレンチ様式で、メインダイニングの天井には、かすれかけてはいるが優美といえるフレスコを愛でることができる、ロンドンの「ジェントルメンズ」クラブにしては、優美なパリの淑女「レデイ」を思わせるこの建物に居を落ち着けるまで、クラブは2度ほど、ロンドン市内をさ迷っている、


我がクラブのフレンチ趣味は、元の持ち主であるウオーター・バーンズ(モルガン財閥の創始者で世界で最も裕福な人物といわれた、ジョン・ピアポント・モルガンの義理の息子)が、1890年代にパリの建築家ヴァン ボイヤーに大幅な改築を頼んだことによる、ボイヤーはなかなか良い仕事をした、私は、他のクラブの古色蒼然、威風堂々よりは、この工芸的なエレガントさは洒落ていると思う、それにどちらかというと「軟弱」気味といえるメンバーにも似合っている、


「 A Rare Treat



ロンドンのクラブの発祥は、「ポリテイカル」である、政治的に意見を同じくする者が集まって勢力を強固にするために「クラブ」というのは設立された、だから今も歴史のあるクラブの主流は「ポリテイカル」なクラブが多い、
翻って、我がクラブはと云うと、クラブでの政治話に「ウンザリ」した軟弱者3人によって、もっと「人生愉しもうゼ」という意図で創設された、

その意図が軟弱だったせいで、とくに文学界、音楽界からもメンバーが集まったことが我がクラブの特徴になっている、
そうした古のメンバーで、少しは名を知られている人物には、我が愛読書でもある「宝島」や「ジキルとハイド」の著者、スティーヴンソンや、SF小説家のはしりともいえるH.G.ウエルズ、詩人のW.B.イエイツ、トーマス・ハーデイなどがいる、
音楽界では「威風堂々」で知られるエドワード エルガー、サー・チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード などもメンバーだった、


「 A Rare Treat



そして、何故かサイエンスの分野に「強い」のも特徴で、熱力学や絶対温度を提唱したケルヴィン卿から、「原子物理学(核物理学)の父」と呼ばれるラザフォード男爵まで、これは錚々足るメンバーがいる、

この「科学の分野でも、かなり由緒正しい」クラブであることは、メンバーになってから知ったことで、私はどちらかというと「軟弱」な方のグループにいる、

私のクラブでの後見人であるサー ジョージも科学者で、或る夜、クラブのバールームで馬鹿騒ぎをしていた若い私を見かねたのか、私をつかまえてこの「由緒正しい」というのをクドクドとレクチャーしてきた、いくらかは、アルコール漬けの私の頭にも残ったが、私は、いまだにジョージが何を研究しているのかは知らない、


私としては、我がアイドルのひとり、マックス・ビアボーム(Max Beerbohm 、ワイルドと同時代のcaricaturist、独自の早熟の天才)が同じクラブのメンバーだったことに小さな誇りを感じている、



「 A Rare Treat



私は6月の一週間あまり、友人たちとの馬鹿騒ぎのためにクラブの一番広いオーバーナイトステイルームを予約した、「一番広い」といっても、クラブのオーバーナイトのメンバー料金は当時の割高なロンドンのホテルに比べて申し訳ないほど安い、「一番広い」部屋を予約したのも、単にバスタブが広くて、奥まった角部屋なので、隣の物音がしないだけの理由だった、


「 A Rare Treat



我がクラブには10部屋ほどの「オーバーナイトステイルーム」が用意されている、大概は、田舎に住んでいるメンバーがロンドンで何らかの用ができたときや、或いは古では、これも何らかの理由で家を追い出されたメンバーのほとぼりが冷めるまでの隠れ家としてあった、

ニューヨークなどには、小さなホテル並みの部屋数とサービスを誇るクラブもあるが、ジェントルメンズ クラブの純血種であるロンドンでは、「オーバーナイトステイルーム」の部屋数は各クラブとも10部屋程度のものだ、あくまでクラブであって、旅行者を目当てとしたホテルではない、


そう、今はリファービシュメントされて少しはチャーミングと云えるようになった我がクラブの「オーバーナイトステイルーム」も、以前はただの広いだけの部屋だった、ベッドと、円形のテーブルがひとつ、何世紀経ているのか推定のしようもない古めかしい革張りの椅子が数脚という具合に、およそ家財道具に恵まれているとはいえなかった、「一番広い」部屋だけには極めて旧型のテレビも備え付けられていたが、それ以外の部屋にはその「近代的な」姿はなかった、

おっしゃる通り、ここは「クラブ」であって「ホテル」ではない、一番それを痛感するのは、土曜日、日曜日には誰もいなくなることだ、、、


「 A Rare Treat



どこのクラブも土曜、日曜日はクローズする、金曜日になると秘書のパトリツアは、ウイークエンドをオーバーナイトステイするメンバーが酔っ払って正体を失くす前に、大仰な札のついた玄関のスペアキーを注意事項とともに抜かりなく手渡しにやってくる、土曜日の朝だけは、コックのジェイムズが、モーニングティーと自慢の朝食を我々に餌付けするために出勤するが、日曜日は全く、誰もいなくなる、


「 A Rare Treat



風変わりな孤独癖でも持っていない限り、週末の誰もいないクラブで目覚めるような場合には、それなりの理由があると思わざるを得ない、まともな人間なら、週末には小旅行に出掛けたり、田舎の友人宅でのんびりと神さまが決めたルールにしては悪くない「安息日」を愉しんでいるはずだ、

この時の私は、連日連夜の馬鹿騒ぎに、いささか度を越していることは自覚していたが、週末をひとりで過ごさなければいけないほど悲劇的な状況にあったわけじゃない、
マイったのは、隣のクラリジッスの豪華なスイートルームで金曜日の夜から土曜日の明け方近くまで続いた某有名ファッションモデルの誕生日パーテイで、リチャードに久しぶりに出会ったことだ、、、


「 A Rare Treat


リチャードは、いかにも英国の良家のハンサムボーイで実に気持ちの良い男だ、今もシテイの上品なプライベートバンクにいるそうだ、ちょうど私と同い年で、出会った頃はお互いまだ学生だった、


リチャードには、美しいいとこがいて、彼女は当時の我々の「アイドル」だった、

私たちの誰もが、彼女を「狙った」が、やがて誰もが彼女の「特別さ」に気付き、いつしか身を引いていった、その特別さは、「気高い」ともいえるし、「壊れ物」のような繊細さとも表現できる、
私は、彼女は「現代という時間」には「居なかった」のだと思う、彼女の純粋さは、我々のような若者が壊してはならない精緻な硝子細工のエレガンスであって、少しは分別があった私たちは、暗黙の内に「壊す」ことよりも「守る」ことを了解した、


やがて、学校を卒業した私は、もっと遊び好きなグループと行動を共にするようになり、いつしか、リチャードたちとは、時折、付き合う程度になっていった、しかし、私は彼女を忘れたことはない、その繊細な美しい横顔とほとんどアートだと云うべき装いや、優れたセンスを眺めるのは何よりの愉しみだった、、、

いまにも、風のむこうから、薄いシフォンの小花を散らした古着のワンピースを纏って、ベルベットの室内履きにはアンテイークのリボンをいっぱい詰めて彼女がやって来そうだ、あの無防備ともいえる微笑みを携えて、、



「 A Rare Treat




、、、彼女についてこれ以上、書くのはツラくなる、、以前にブログのひとつに記したように、過去形の文章で綴るのは彼女が自らの命を絶ってしまったからだ、

若い私が、それを受け容れるには幾分時間が必要だった、、

その夜、パーテイで久しぶりに再会したリチャードと私は、彼女について何か言葉を交わしたわけじゃない、我々はむしろ上機嫌で再会を祝し、いささかワイルドに杯を重ねていった、しかし、彼女について何も触れはしなくとも、私は彼女を思い出さずにはいられない、、それが、なおさら杯を重ねさせたのは認めざるを得ない、、

結局、しこたま痛飲してしまった私は、明け方近く、爽やかな一日を予感させるメイフェアの朝風に後押しされるように、爽やかとはいかない文字通り這うようにクラブに戻ってきてベッドに倒れ込んだ、
私が目覚めたのは、コックのジェイムズも帰ってしまった土曜日の昼近くだった、


出遅れた私はシャワーを浴びて、それでも一縷の望みをもってメインダイニングに下りていった、しかし、案の定、そこには並べられたテーブルの白いクロスが空虚に目立つだけで、もうクラブには誰もいなかった、


ただ、入り口近くのテーブルに白いナプキンに覆われてアフターヌーンテイー用の重ね盆に小さく切り分けられたサンドウイッチと、銀色の畏(かしこ)まったポットいっぱいのコーヒーが、ジェィムズのメモとともに用意されていた、ジェィムズはビールばかり飲んでいるが良いヤツだ、


糊のきいたナプキンをひとつ取り、おもむろに膝にかけて私はサンドイッチをつまみ、冷めてしまったコーヒーをカップに注ぐ、ふと積み上げられた四角いサンドウイッチは無数のトゥームストーン、墓石に似ていると思った、まだ墓標の刻まれていない無数のトゥームストーン、彼女の墓石には何が刻まれていたのだったか、


死者たちは、いつまでも我々につきまといはしない、いや、我々はいつしか彼らを裏切ることを覚え始める、あれほどの愛の言葉は別の恋人に捧げられ、墓石に誓った言葉は易々と破られる、

しかし、それでも我々は彼らを都合良く、愛し続けている、

いったい、私は彼女の何を理解していたと言えるのだろう、


「墓石」のいくつかを平らげながら、私は彼女の墓標をいま一度確かめたくなった、多分そうしたら、やっと彼女のことを受け容れられるような気がして、不思議に落ち着いた気分になった、今日の午後は友人の田舎の家に集まるはずだったが、電話を入れて断ろう、それが、今日という日に私が素直に望むことだと思えた、
、、汝、死者に忠実であるべし、、、

サンドウイッチに添えられたジェイムズのメモを取り上げると、こう書いてあった、、、「良い週末を、、」、、、ジェイムズは「ビールばかり飲んでいるが」、やはり良いヤツだ、そのサンドウイッチは優しいジェイムズが思っている以上に、「a rare treat、、特別なはからい」となった、


R.H.







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by momotosedo | 2009-04-25 03:40 | ■Tales of the City

4月20日(晴)  Tales of the City 1. 「New York 」



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「 Tales of the City


ニューヨークのクリスから、何度もメールが届いている、今度はいつニューヨークに戻ってくるんだ、ウマいマテイーニが待ってるゾ、

たしかに、午後の4時から5時あたり、夕食にはまだ間があって、みんな一仕事も終えて、街角にはまだ陽光も残っている宙ぶらりんな時間に、気の置けない友人と36丁目のキーンズあたりの信用がおける、かつちょっとザワついてもいるような店で飲むマンハッタンのマテイーニは旨い、

それは、説明しづらいが、私がニューヨークで一番、好きな時間と場所だといえるかもしれない、
いや、いまや言葉のその純粋な意味で、愛しているともいえる、


「 Tales of the City



なぜなら、その数杯のマテイーニの後に訪れるレストランや、ナイトクラブは、エルモロッコやストークからグラマシータバーンなどへ移り、友人や知人の顔にしてもこの何十年では変わらざるを得なかったけれど、

ガラス窓の向こうに覗くマンハッタンの街も、夜のひと騒ぎの前になんだかしばし気を抜いているように見えるその時間のマテイーニだけは、ズット変わりはしていないのだから、

歳をとっていく良さは、若いときには無駄な時間と思えたものが、実はそれこそが愛(いと)しく、人生の大切にすべき時間だと気付かせてくれることだ、肩の力が抜けるというのは、こういうことかな、ともかく、若いときとは違う真実というのが時折、分かりそうになる、

私は、なみなみと注がれたグラスに口をつけてドライで新緑の葉を思わせる味を愉しんでから、グラスの底に沈没しているオリーブを引き上げてやってひと齧りする、


マンハッタンを離れるとき、窓の下に小さくなっていく摩天楼を眺めながら思い出すのは、いつも決まって、このマテイーニ漬けのオリーブのひと齧りだ、


「 Tales of the City




「ニューヨーカー」の名物コラム「Talk of the Town」で知られる作家E.B.ホワイト(「スチュアート リットル」の原作者でもある)は、1948年に「Here is NewYork」というタイトルでこの街をリリカルに語っている、それは、「7500文字のニューヨークへのセレナーデ」、ともいえて美しい、

そのなかで、ホワイトはこの街を‘the gift of loneliness and the gift of privacy’と謳っているが、
それから40年余り後、ホワイトの継息子で、同じく「ニューヨーカー」の名物コラムニストだったロジャー・エンジェルは、「メトロポリタン美術館の日々の込み具合をみていると、ここにはプライベートといえるものはヒトカケラもないことが分かる、マンハッタンの交通渋滞に巻き込まれて車のなかで味わう孤独以外は、、」と皮肉るようにニューヨークはその世代やクラスによって違った顔を持っている、


その一方で、セントラルパークから望む、マジェステイックや、ベレスフォード、サンレモ、エルドラドといういささかエキゾチックな名前がついたボザール様式の建物が織りなすスカイラインは、人間が作った最も美しい「地平線」として、いつも変わらず心を奪う、


「 Tales of the City



ニューヨークに行けば、必ず一緒に食事を共にして、その昔話を愉しみにしている老ダンデイ氏が語るように、いつも大きな黒いサングラスと帽子に身を隠していたサットンプレイスのグレタ・ガルボや、エル・モロッコで一人きりでヘラルドトリビューンを読みながら昼食を摂っていたオナシスなど、ニューヨークは、いつの時代もこの街を愛するセレブリテイーには事欠かない、

そういう少しは上品な「金持ち」は、いまもこの街を愛しながら、ひっそりとアッパーイーストやアッパーウエストに暮らしている、

彼らがどうしてこの街を愛して離れたがらないのか、その同じような理由で私は、まだ陽の残る夕暮れ前の、そのマテイーニを愛しているのだと思う、
それは、起き抜けにルームサービスで頼む一杯のシャンパンとも似ているようで違う、
そして、それは言葉を尽くして説明するものでもないと私は思っている、味わうべきものだ、


充分、歳を経てきたと云える私は、フィフィスアベニューでの散財や、ブロードウエイの夜や、ソーホーのナイトクラブの香水の匂いなどは、もうどうでも良い、頑固さを増してきたライフスタイルは、正直にいって旅先の街にも溶け込み難くなっている、


その私が、ニューヨークという街と幾らか溶け込みあうのが、多分、そのマテイーニのオリーブをひと齧りする瞬間なのかもしれない、その時、私はつくづくこの街のこの瞬間が好きだと思える、いや、生きてるうちにあと何回か味わっても良い、人生の人間らしい愛すべき時間だと思える、それは、たしかに、このニューヨークでしか味わえない「a gift」、「街の贈り物」なンだ、



R.H.

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by momotosedo | 2009-04-20 23:51 | ■Tales of the City

4月18日(晴れ) 「100年素材」 Classic Siripes 6.







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「CLASSICSTRIPES
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1970`s Itarian
Horizontal Silk & Cotton Stipes
bespoke shirts

ホリゾンタル ストライプ(横縞)のシャツは、極めてクラシックなものだ、しかし、横縞なら何でも良いわけじゃない、それは繊細で美しいものでなければいけない、

矛盾するようだが、見る人の記憶に「はっきり」とは残らない、「慎ましくも、エレガントな」ものであるべきだ、

つまり、「美しい」シャツとして記憶に残るべきで、それは「横縞のシャツ」という強い印象を残すべきものではない、ここを間違えてはいけない、



このホリゾンタルストライプは、60年代ぐらいまでは、紳士の最もエレガントなドレスシャツとしてジャーミンストリート辺りでも仕立てられていた、しかし、その時代でも、あくまで紳士のスタイルであって、誰でもが頼むものではなかった、極めてダンデイで、ビクトリアンの優雅な時代を引き継ぐ「ソサイエテイ」を匂わせるシャツだといえる、

伝説のダンデイとして知られる「バニー」・ロジャーもこのシャツにスピタルスフィールドのタイを絞めて写真に勇姿を残している、
このシャツの愛用者として名高いのは、60年代のアメリカで最も「ウエルドレス」な紳士として知られた、フィラデルフィアの名門出身、ドレイクセル・ビドルで、白い衿に、非常に細かな紺のホリゾンタルストライプのシャツを何枚もつくらせて愛用していた、
実際、ロンドンの「トーツ」で仕立てられたビドルの装いは、少しも気負ったところがなく、それでいてエレガントで「クラス」を匂わせた、

このダンデイなシャツを仕立てるときには、いくつかの「決まり」というものがある、



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いまや、「ホリゾンタル ストライプ」の生地そのものが、見当らなくなった、ましてや、美しいシルクのこのエレガントなシャツにふさわしいストライプのものとなると千に一隅の幸運を祈るしかない、


冒頭のピンクに上品なグレイが効いたものは、「PEN」に載ったエクリュのスーツに合わせたシャツと同じもの、上のものは、その色違いでブルーのもの、、もう一色グレーのストライプがある、


どちらも、70年代にイタリアで織られたシルク&コットンで、優しげで繊細な表情をしている、
これは面白い生地で、それは、シルクの生地と比べると分かる、或いはコットンの生地と比べると分かる、

つまり、シルクと比べれば、その光沢やタッチがより自然な男のシャツに相応しいものに見えて、コットンに比べてみれば、いかに高番手のコットンでも適わない、上品な光沢と、密に織られた信頼性(丈夫さ)が違うことに気付く、











「100年素材」
「ヴィンテージ シルク&コットン ホリゾンタルストライプ ビスポークシャツ」 

(仮縫付き、フルハンド)

¥50,000-(税込み¥52,500-)


*僭越ながら完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
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by momotosedo | 2009-04-18 15:54 | ■100年素材

4月17日(花冷え、小雨)「100年素材」Classic Stripes クラシックストライプ 5.







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「CLASSICSTRIPES
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1960`s English
3ply finest mohair & worsted

クライアントのMさんに、メールを書いていて納得したことがある、
話というのは、「クラシックな装い」についてだった、


「クラシック」な装いというのは第一次大戦をひとつのターニングポイントとして変容していく、

多分、我々が今、大戦前のベルエポックの時代などの、色あせた写真や当時を偲ばせる書物の頁を開いて、その暮らしとか装いに魅かれていくのは、そこに人間の人生としての「豊かさ」とか、そう云ったものを日々の暮らしの匂いとともに感じとって、憧れてしまうからだと思う、

そして、その装いの姿に魅力を感じえないのは、その「クラシックな服」というのが、その魅力的な生活というのと結びついているからに他ならない、

つまり、「装い」というのに、豊かな人生の時間や、暮らしとか生活が現れていて、衣服からそれを感じて魅かれるのだと思う、

それが「クラシックな装い」の魅力と意味だと思う、(そして、それを一番、純粋に現しているのが第一次大戦以前の「ソサイエテイーのクラシック」の時代だと思う)


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50年代で「装い」はもう一度、転換していて、今度は、「クラシック」というのから、「インターナショナル ルック」というものへ移っていく、(これは、今の「アッパークラス」の装いで、何故か、ヨーロッパのテーラーは、これを「インターナショナル ルック」と呼ぶ)


ここら辺りから「装い」から、「人生の豊かな時間」と云えるようなものは消えてしまったような気がする、
そして、やたらに「ファッショナブル」という言葉が聞かれるようになった、

私が近頃の服や靴や生地に、いつも少々不満を抱えてしまうのは、ここに理由があるのだと思う、

この「人生の豊かな時間」が現れている「装い」というのに、私はやはり拘っているのだと今さらながら気づかせてもらった、


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さて今回は、そんな訳で実に往年の英国らしい3plyモヘアの「クラシックストライプcopyright 2009 MOMOTOSEDO, R.H.を取り上げることにした、

この生地は、冒頭述べてきたような「匂い」を持っている生地だと云える、


実に男っぽい、味のあるネイビーの3plyのモヘア、いかにもビンテージらしい生地ともいえる、なにより、ざっくりとした質感と、ネイビーのこの色が良い、

面白いのは、ピンストライプが「刺し子」のような風情で織られているところで、これも、この男っぽい質感に、唯一無二の表情を与えている、

ハンドステッチのような「手」を感じるこのピンストライプといい、3plyモヘアのざっくりと頼りになりそうな少し厚手の表情といい、生地そのものに、「つくり手」の匂いを強く感じるのがとても良い、

そして糸が良い、良い時代の英国らしい糸だと思う、前述の60%キッドモヘアの贅沢な上質さとは別の意味で「豊かさ」を感じる、欲を云えば、キッドモヘアの方でシャープなタウンスーツを、この頼りになりそうな3plyのモヘアでは、味のあるエレガントなイングリッシュドレープでスーツを仕立てて揃えておきたいと思わせる、色も、キッドモヘアのシックな墨の入ったダークネイビーと、このダンデイな匂いのあるネイビーで使い分けができそうだし、、、


織りも正確で、タイトによく織られていて保存状態が極めて良い、モヘア独特の光沢も3plyになるとそのざっくりとした質感と合わさってまた違ったオーガニックな自然な表情をみせる、
復元性はいわずもがなで、湿気の多い季節にもドライな快適さを保障してくれそうだ、

この時代独特の3plyモヘアは、何故そういうものを織ったかというのが、実物を見るとよく分かる、着れば着るほど、その質感の味わいに惚れていくような、そういう本質的な生地の魅力があるのだ、これが、今の生地に欠けているところで、それは、糸の質とか織りとか、或いは、もう取り戻すことのできない時代の「空気」みたいなものが交じり合って出来ている、





ビンテージの優れた生地に出会い、それを手に取りつづけていくと、その時代の「それ」は、「それ」だけで良いのだと思えてくる、それを「復刻」しようとするのは品がない、

そこには、やはり、糸とか考えとか時代とか人とかというものがあって、それを無理やり「似せた」ものをつくるというのは意味をとり違えている、本質的にも適わないだろう、潔く、そのめぐり合わせの幸運だけを愉しむのが良ろしい、

良い時代の良い生地に幸いにも出会って、それを尊重しながら丁寧に仕立てるというようなことが、多分、「世界」の落ち着き方というもので、本来の法則に順じている、多分、それに気付きはじめたときスタイルというものも生まれて、今の服の世界というのも少し変わって落ち着くのだと思う、それは、何んにでもあてはまると思う、


少しの信念と潔さでスタイルは生まれる、或いはその人の「世界観」というものがつくられる、
往年の男たちが、仕立て屋の扉をたたき、自分だけの服をつくり、そして、その服を大切に生涯愛し続けたわけは、そこにある、

















「100年素材」
「ヴィンテージ ネイビー「刺し子」ピンストライプ 
 3ply モヘア & イングリッシュウーステッド BESPOKEスーツ」 
限定1着

(仮縫付き、フルハンドメイド)

¥360,000-(税込み¥378、000-)


*僭越ながら完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
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by momotosedo | 2009-04-17 01:45 | ■100年素材

4月15日(陽気) PEN 5/1日号 「男の東京マップ」



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先頃、発表された2009年度の米国誌「フード&ワイン」が選ぶ世界のグルメ都市の第一位に我が「東京」が選ばれましたが、この「PEN」5月1日号「男の東京マップ」を覗くと、レストランだけでなく個性的な店が数あることが分かります、東京もすてたものじゃない、いや、なかなか頼もしい限りです、

この「PEN」の特集は、6エリアの絞り方がおもしろく、そして実に秀逸な「地図」がついています、この「地図」は面白い、「PEN」は、以前から思っていましたがタイポグラフィが綺麗で、よく考えられていて好きな雑誌です、
私は、正直いって、この特集に登場した大部分の店を知りませんでした、、、東京に住んでいるというのに、、、さっそく、この「PEN」を携えて「東京を旅して」みたいと思います、






 蛇足

① エクリュのちょっと変わった織りの「ビンテージ シルク&ウール」のスーツは、クラッシックな表情ですがデイテールもテーラリングも少しヒネっています、

今、私はクラッシックを「捻る(twisted)」、それもモダンにではなく、より「古典的」にヒネっていって、「Arty」にする、というのに入っています、(言葉だけでは分かりにくいと思いますが、言い換えれば「モダナイズ」で「省略」してクリーンにしていくよりは、「古典」や「古代」からでた深いモチーフを「加える」方が、今の時代には「格好良くする」ボキャブラリーをより豊かにもっているんじゃないかなと思うのです、
いわば、ちょっとだけアートなクラシックスタイル、)


このスーツは意識的に非常に柔らかい仕立てで、肩パッドもありません、しかし、ショルダーラインを美しくみせるために、肩甲骨の窪みなどにあわせて、その部分だけドミット(綿みたいなものですね)を薄くいれるという凝ったことをしています、

デイテイールも、1910年~20年代のクラシックな3つボタンのプロポーションなのですが、3つめのフロントボタンは省略しています、袖も、少し離した2つボタンです、胸ポケットのラインや、実はトラウザーズのカフのラインもちょっと違えてあります、

ラペルつきのウエストコートも20年代の「ソサイエテイークラッシック」で、ボタンが一つ多く、最後のボタンは飾りだけで、ボタン穴はありますが、絞められません、


しっかりつくられているけど、堅苦しいとか少しダサいというのがあります、これは、クラシックの「掴み方」だと思いますが、
このスーツは、よく見るとラペルの返り方とかボタン位置なども、少しアエステイックに違えてあり、着こなしの自由度があえて効くようにしてあります、クラッシックなつくりですが極めて柔らかい仕立てで、いわば、ズット「愛用していたような」世界観を試しています、

クラッシックだけど、どれだけ「かっこ良く」するボキャブラリーを持っているかがテーラーの腕の見せどころで、しかし、それには技術を使いこさなければ適わないのも事実です、愉しくも、果てのない作業です、、、


② シャツも極めてクラッシックなダンデイスタイルです、小ぶりのラウンドのボタン留めタブカラーの衿は20匁のオフホワイトのシルクです、ボデイはやはりビンテージの珍しいホリゾントストライプ(横縞)の「シルク&コットン」です、


この今ではなかなか見つからない「ホリゾントストライプ」に拘りがあります、ホリゾントなら何でも良いというわけではなくて、この薄いピンクのストライプのように、何本かの太さや色が微妙に違うとか、やはり、シャツに仕立ててエレガントなものが良いのは言うまでもありません、


アトリエには、やっとの思いで手にいれた良いホリゾントストライプが幾つかあります、このピンクと同じデザインで「ブルー」と「グレー」を見つけたときのことはいまでも覚えています、

とくに、白衿にしたホリゾントストライプのシャツは、いかにも20年代ぐらいのダンデイスタイルで好みです、


ピンクのストライプが印象的なタイは、シュルカ(A. Sulka & Co.)の未使用のヴィンテージです、この実物は、なかなか凝った織りの「シュルカ シルク」で気に入っていましたが、すでにクライアントのM氏の手元に渡ってしまいました、、、




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by momotosedo | 2009-04-15 22:10 | NEWS

4月12日(桜)「100年素材」 Classic Stripes クラシックストライプ 4.限定1着







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「CLASSICSTRIPES
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Vintage summer worsted (1980`s Japanese)
Tasmanian Super 100`s



アトリエの「ビンテージコレクション」のなかには、数は少ないけれど英国製以外の生地もある、
これは、80年代のバブル時期に織られた、我がアトリエにしては珍しい日本のもので、実は私は一時、この時期の面白いものに限って蒐集したことがある、

この時期のものが面白いのは、今も残るバブル時代の一部のマンションと一緒で、「無駄ともいえる」贅を尽くしたものが時たまあるというのに尽きる、
例えば、そういうマンションは、バスルームにはちゃんと大きめのシンクがふたつあって、その上は湯気で曇らない鏡張りの大きな戸棚でそれは良いのだけれど、バスタブは広めだが「ピンク」だったり、おまけにお揃いのピンクのビデもご丁寧に備えていたりする、つまり、その「贅」というのは何か「偏(かたよ)って」いて、
ただその「偏り方」が「当たる」場合もある、そして、それはその時代だからできたところもあって、今、それをやるのは難しかったりする、「面白いものに限って」、というのはそういうことだ、



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この生地は、「タスマニアンウール」のスーパー100‘sで織られている、先ず、糸が申し分なく良い、
「タスマニアンウール」は、「メリノウール」と同じく良いものは、けっこうな高値で取引される、80年代のバブル期の日本の織物業者は、金にあかせてその最高品質のものを「無謀にも」買い占めた、その「買いっぷり」は現地のニュースで報道されるほどだった、
その時代の最高品質は、かなり良かった、それは、いったいドコに行ってしまったのだろう、多分、それを上手に生かしたとは残念ながら云えないのではないかと私は思う、もったいないことだ、

「英国の生地」と「日本の生地」というのは、やはり「違う」、それは、細かに解析していけば、どこが違うかというのは指摘できるが、そんなことよりも、根っこの「クセ」みたいなものが違うのが大きいと思う、
それと、日本の場合、どうしても既製品が主になってしまうので、それも「考え方」に影響していると思う、だから、いまひとつ私は「乗れない」ところがある、



さて、このサマーウーステッドの話だ、

メリノウールは今でも時たまそれで織られた生地を見かけるが、何故か「タスマニアンウール」のものは見かけることが少ない、この生地の糸が良いことは先ほど申し上げた通りだ、

この生地が、さらに面白いのは、それを「ションヘル織機」で織っていることにある、往年のタスマニアンウールの糸の良さと、低速織機が合わさっているところに、この「サマー」ウーステッドをピックアップした理由がある、「サマー」というところにも理由がある、





旧型の低速織機で織られたこの生地は、先ず発色が綺麗で、織りも不思議なシャドーを組み合わせて凝っている(クローズアップの写真をみると、必要以上に凝った織りなのが分かる)、発色が鮮明で、織りに凝れるのは低速の強みだ、とくに、細いスカイブルーの線の発色はなかなかだと思う、

そして、低速でゆっくりと、タイトに織られた最大の強みは、タスマニアンウール100‘sという繊細な表情に反して、生地をギュっとワシ掴みにしても、手を離せばサッと皺ひとつ残さず戻る復元性を持っていることだ、つまり、ハイツイステッド以上のハイパフォーマンスを持っている、これは面白い、


東京に戻ってきて、やはり「違う」と思ったのは「梅雨」と「湿気の多い熱帯のような夏」だった、
いろいろ試してみたが、この季節に一番適していると思ったのは、ライトウエイトだがしっかり織られた「ハイツイスト」のドライで、復元性の高い生地だった、
そして、大事なのは「糸が良い」ことだ、これならばハイツイストでタイトに織っていっても、しなやかな柔らかさを残して、贅沢で気持ちよい着心地が味わえる、



通常、繊細なタスマニアンウールは、優雅でドレープも良く出て魅力だが、日本の夏を思うと、まとわり付いてきそうで二の足を踏む、けれど、これは正に「日本の湿気の多い夏」を想定して織られたものだといえる、




ストライプのデザインにも触れておかなければいけない、
実は、私はこの生地と同じデザインのビンテージのテーラー&ロッジのサマーウーステッドで、春夏用のダブルブレステッドのスーツを昔つくって今も季節になると愛用している、

念のために云うと、全く同じというわけではない、むしろこの生地の方が凝った織りになっている、
ダークネイビーにサブドュード(目立たない)のブリック(煉瓦色)と、鮮やかなブルー(これも細いからうるさくない)の間隔をおいた細いストライプは、意外に30年代の昔からの通好み、腕利きのテーラー好みの少しヒネった「クラシック ストライプ」なのだ、

その理由は「仕立て栄え」にある、ただ、それも少しヒネったもので、室内ではストライプが細いので、ほとんどダークネイビーの落ち着いたペンシルストライプのスーツとしか映らない、しかし、陽の光の下や、ちょっとした見る角度で、鮮やかな青は浮き立ち、ブリックは洒落た落ち着きをより与える、
チョークやピンストライプと違って、このデザインをあまり見かけないのは、どちらにしても「通」のもので、それを扱える美意識の高い顧客も、あえてすすめる慣れたテーラーも少なくなったからだろう、



この古の通好みのストライプへの「リスペクト」といえるデザインと、「日本の夏」のためにタスマニアンを低速織機で織って贅沢なハイパフォーマンスの生地にするというのが、はたして「意図的」になされたのかどうかは知る由もない、


ただ、結果としてはチョット、マニアな「100年素材」になっている、この幸運は素直に受け容れよう、、、







「100年素材」
「ヴィンテージタスマニアンウール スーパー100‘s  ビスポークスーツ」 限定1着

(仮縫付き、フルハンドメイド)

¥350,000-(税込み¥367,500-)


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「MAKIN‘ WHOOPEE (汝、バカ騒ぎするなかれ、、)」


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by momotosedo | 2009-04-11 22:26 | ■100年素材

4月11日(桜) 「100年素材」 Classic Stripes クラシックストライプ 3.







momotosedo`s
21st Century
Elegancy





「CLASSICSTRIPES
title copyright 2009 MOMOTOSEDO, R.H.



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Vintage 1980`s English
Very English Navy Super 140`s & cashmere
`Ultimate`







いかにも英国らしいスーツの「色」を挙げよと問われれば、この「イングリッシュ ネイビー」と呼ばれるものを迷わず私は挙げるだろう、

そして、イングリッシュ ネイビーのフラノのチョークストライプも捨て難いが、もっと普通的なクラシックといえば、このピンストライプだと思う、




60年代のロンドンの街角の記憶を探っていけば、このイングリッシュ ネイビーのスーツと、ドゥスキンの黒いスーツに黒いボウラーハットと細く巻いた蝙蝠傘を持ったシテイのバンカーたちの姿が浮かび上がってくる、あのころは、ごく日常のこととしてボウラーハットを被った紳士の姿をロンドンの街ではよく見かけたものだった、


ボウラーハットを見かけなくなったように、このイングリッシュ ネイビーのスーツも、いまやロンドンの街を歩いても、店を覗いても、思ったほどに見かけないのは、いつも不思議に思う、ダークネイビーのピンストライプやペンシルストライプはよく見かけるのにもかかわらず、、、


ごく個人的に思うのは、それはこの独特な発色のせいなのかなとも考える、織る側にとってはダークネイビイーの方がやりやすいのかもしれない、事実、この色は独特でいわゆる「ネイビー」とも違う、もっと豊かな青がある、といって「ライトネイビー」というわけでもない、

この色は、若々しいともいえるし、大人が着ると似合うエレガンスがあるともいえる、ピンストライプというのも主張しすぎない「拘り」を見せる、写真では分かりにくいが仕立てると、ちょっとスノッブな凛としたエレガンスが匂ってくる、そしてどんな場所へも出掛けられ、生涯、愛用できる普遍性をもっている、


この「イングリッシュ ネイビー」は、シングルでもダブルでも構わないが、クラッシックな仕立てにすべきものだ、丁寧につくられたクラッシクスーツにしたときこのストライプは「男の気構え」といえるようなものを袖を通すたびに語ってくれる、それは大げさにいえばちょっとした「勇気」をくれるような気がする、そこが、ダークネイビーの無難さとは違うところだ、
男にとってのスーツというのは、そういう役割もあるのだと思う、





「イングリッシュ ネイビー」のスーツを街で見かけることが少なくなったように、この生地を探すのにも苦労する、「Ultimate」とやや大げさな名前がついたこの生地は、確かに古のその探し求めていた色をしていて、極めて糸の良い、そのクオリテイーとともに、見つけ当てたときは「ホッと」したものだ、

この生地は、80年代にスーパー140‘s&カシミアで贅沢に織られた生地で、このとき同じクオリテイーでダークネイビーと、ライトグレイのピンストライプも見つけた、何かのシリーズとして織られたものかもしれない、そしてこの生地は、やわな高番手ではない、しっかりタイトに織られていて、仕立てに適した質をもっている、


何故、スーパー150‘sではなくて140‘sに拘ったのかそれは知る由もないが、偶然見つけたこの生地はその名はともかく、或る意味で最適なバランスを持っている、
それは、スーパー200‘sとか、いたずらに高番手にするのではなく、しかし今までとは違う細番手の贅沢感と、ゆっくりタイトに織られた丈夫さと仕立てを生かす信頼性を併せ持っている、
それに、この生地が織られた時点では、スーパー200‘sとかそういうものは無かったのだと思う、
英国のミルにとっては転換期だった80年代の「転換期」らしい秀逸な生地と言えるかもしれない、

その後の、織物業界の「高番手競争」を思えば、布地の耳に織り込まれた「Ultimate(到達点)」という文字が「良い生地」のバランスという意味では逆に正直な言葉に思えてくる、



「イングリッシュ ネイビー」を見ると浮かぶある種の懐かしさは、私の好きな歌の一節を思い出させてくれる、
That old feeling、、、、色んなものが混じりあったチョッピりノスタルジックな想い、、、



I saw you last night and I got that old feeling,
When you came in my sight
I got that old feeling.

The moment that you danced by I felt a thrill
and when you caught my eye
My heart stood still

Once again I seemed to feel that old yearning
And I knew the spark of love was still burning

There`ll be no new romance for me
It`s foolish start

For that old, old feeling is still in my heart







「100年素材」
「ヴィンテージ スーパー140‘s & カシミア イングリッシュ ネイビー ビスポークスーツ」 
限定1着

(仮縫付き、フルハンドメイド)

¥360,000-(税込み¥378、000-)


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by momotosedo | 2009-04-11 21:46 | ■100年素材

4月11日(桜)「100年素材」 Classic Stripes クラシックストライプ 2.限定1着







momotosedo`s
21st Century
Elegancy





「CLASSICSTRIPES
title copyright 2009 MOMOTOSEDO, R.H.



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Vintage 1970`s English
60% kid mohair & high twisted 100`s worsted



モヘアは今と昔では、やはり違う、そのしなやかさが「格段に」違う、モノを知っているテーラーなら、そのことは痛感していると思う、

70年代のこのモヘアは、キッドモヘアとハイツイステッド(撚糸)の良い糸のsuper100`sで織られている、モヘアの混合率も60%で、今のものがせいぜい20~40%なのに比べると、贅沢な輝きがある、モヘアの質そのものも違うと思う、
そういう意味では、現行のものではなく、ビンテージの「これを」を探すべき理由がハッキリとある素材だと思う、

なにより、今のパリパリした手触りと違って、あくまでしなやかなのが良い、これからの季節の素材としては、この70年代前後に織られたモヘアは、私の一番好きなもので、シングルとダブルのスーツを揃えて、季節になるのを待ち望んでいる、

色もこの独特の墨の混じったようなダークなネイビーに、ブリックのサブデユード(目立たない)ストライプがあまり狭くない間隔で入っているクラシックなのが好みなのだ、モヘアの独特の光沢には、これぐらい控えめなクラシックさがちょうど良くて、男っぽいと思っている、


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モヘアの「光沢」は、シルクのそれとはまた違う、男っぽい格好良さに繋がるもので、ドライでザクっとした生地感が持つ光沢は、「クール」という俗語がまさしくふさわしい、

実際、モヘアスーツはちょっと男の伊達っぽい格好良さの代表として愛された、このスーツを伊達に、「クール」に着こなした男たちに私は、パリで、南仏のリゾートで、ロンドンのスノッブなナイトクラブで何度か遭遇している、それが記憶にこびりついているのは、そういう男たちが、なにしろカッコ良かったからに他ならない、
それが、この素材に拘りを持たせているのだと思う、

そういう良く「選ばれた」モヘアを着こなした男たちは、遊びなれた優雅さがあって、気取らない贅沢さを匂わせていた、何より女たちにとっては恋人に不可欠な「洗練されたヤンチャさ」というべき魅力があって、男から見ても友人にすれば頼りになると思わせた、




私は、このモヘアをスーツに仕立てるときにはカットも少しシャープにしている、そこには、そういう男たちを見てきた私なりの秘密と工夫と「シンパシー」みたいなものがある、












「100年素材」
「ヴィンテージ60%キッドモヘア&ハイツイステッド スーパー100‘sウーステッド  ビスポークスーツ」 
限定1着

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¥360,000-(税込み¥378、000-)


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「S`Wonderfull、Marvelous、、、」


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by momotosedo | 2009-04-11 21:40 | ■100年素材

4月11日(桜)「100年素材」 Classic Stripes クラシックストライプ 1.限定6着







momotosedo`s
21st Century
Elegancy





「CLASSICSTRIPES
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1970`s Swiss Cotton
Vintage Classic `Mayfair`stripes




「ストライプ」というのは不思議で、品のある良いものと、そうでもないものとがあることに、しばらくすると気がついていく、

それは、単にストライプの幅や構成だけでなく、生地の質とか、素材にもよるのでなおさら「良いストライプ」を探すのは難しくなる、

私もストライプのシャツに凝って、ヨーロッパ中をさ迷ってしまった、良いストライプのシャツというのは、クローゼットに並んでいくとそれだけで愉しい、そこが、無地のシャツと少し違うところで、何か、蒐集癖というものを呼びおこす、
当時のロンドンには今と違って、質の良いシーアイランドコットンも探せばまだあったが、それでもその中から良いストライプを見つけ出すには限りがあった、パリのシャツ屋にも行ったが、人に教えられて、ブリュセッルに凝ったシャツ地を揃えたシャツ屋があるというので、そこまで出掛けて行った、その店は今でもあるが、昔とは少し様子が違ってしまっている、 





確かに、その店の本店にはパリやロンドンの店では見かけないシルクのシャツ生地が当時は揃えてあった、採寸してもらってしばらく生地を物色していると、味わい深いストライプを見つけた、それは何本かのストライプが合わさって、合わさったものがまたストライプになっているようで、ロンドンのストライプに比べて派手そうに見えるが、色が上手に抑えられていてタイの納まりも良さそうにみえた、

聞くとそれは、「メイフェアストライプ」というのだそうだ、そういえばシャツではないけれどロンドンのリネンやカーテンを売っている店にこんなストライプがあった、しかし、その時はブルーシルクのシャンブレーの美しさに魅かれ、仮縫いを待つ間に美食の都に溺れ、帰りにはパリに寄ろうと余計な事を思い出し、そんなことは忘れてしまった、





それからしばらく経って、どういうわけか、競馬に行くのに人にもらったネクタイをしないといけないハメになった、着ていくモーニングに合わせてみたが、そんなプリントの青いタイが合うはずもない、そこで思い出したのが、あのストライプのシャツだった、アレを白い衿にすればなんとかゴマかせるのではないか、


それで、馴染みのシャツ屋に電話をいれて、「メイフェア ストライプ」の生地を用意できるかと尋ねたら、ナント、そんな名前のストライプは聞いたこともないと不審がられた、
慌てて車に飛び乗って、鉛色の空のロンドンの下町にシャツ屋を訪ねて、裏覚えで絵も描いて説明したが、それは極めてクラッシックな柄だが、「メイフェアなんとか」などは聞いたこともないと繰り返された、結局、私の目論見は競馬の日までには間に合わず、なんとなく気がひけるコーデイネイトで出掛けることになった、

それから、また夜遊びに溺れ、酒と美人に翻弄され、そんなストライプのことなど忘れてしまった、




、、、それから、それから、ズイブンと時が経ち、ヨーロッパの或る街で、私はこの「メイフェア ストライプ」に再会する、迷わず買い占めたのは云うまでもない、帰りの荷物が嵩張るのもかえりみず、、



桜色のストライプと同じく、この「メイフェア ストライプ」も、70年代のスイスで織られている、特徴的ともいえる極めて密に、そして良い糸で織られている、


桜色より、もっと密に織られているような気もする、見る角度でシルクのような光沢をみせる、「密」だがしなやかという、いわば「理想のシャツ地」になっている、番手が高くても、フワフワ、薄手なのは結局、男のシャツには向いてはいないように思う、朝、腕を通すと少しヒンヤリとして、ストンとドレープするものが着心地が良い、


なにより、このありそうでなかなか見つからないストライプが良い、このストライプは無地のタイさえ何か曰くありげに上品に見せてくれる、以前にも申し上げたように、この時代のスイスの生地には実にクラッシックで「モノが分かった」柄がある、それは、どうしてなのか、ただ、それがモウ、まとまっては見つからないのが悩ましい、


着心地と信頼性(丈夫さも含め)は保障できる、何故なら、私はシャツだけでなく、実はこの生地でむりやりシーツ(生地幅が狭いので苦労した)とピローケースも作らせたからだ、それに滑り込む「瞬間」の心地よさは私の密かな愉しみにさえなっている、、、







ビンテージ生地なので、今回も限定です、、


「100年素材」
「ヴィンテージスイスコットン メイフェアストライプ ビスポークシャツ」 限定6着

(仮縫付き、フルハンド)

¥50,000-(税込み¥52,500-)


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by momotosedo | 2009-04-11 21:23 | ■100年素材

4月10日(桜) LAST 13号 今度の日曜日はLASTと過ごそう





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LAST
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LAST13号、「ギンザのシューメーカーを訪ねて」のページで紹介していただきました、

私が云うのは、おこがましい気もあり考えあぐねていたのですが、思いいれもあり、僭越ですが、少し書かせていただきます、「LAST」創刊号に当時、ロンドンで大久保が修行していたシューメーカーの記事が載ったこともあり、六義の創業時より、お付き合いさせていただいています、


靴の専門誌というのは珍しく、パリの「Trepointes」ぐらいしか当時、私は知りませんでした、それに比べても「LAST」はページ数も多く、とても興味深く思いました、それは、靴好きな貴方も同じような思いをなされたのではないかと思います、好事家にとっては、実に、「待ってました」という雑誌でした、これは、ファッション総合誌が常識だったときに珍しい英断だと思います、


それからの、「LAST」の独特な歩みは貴方もご存知だと思います、それに私が付け足すのは蛇足というものです、

そのバックナンバーのページをいま開いてみても、海外のシューメーカーをこと細かく、深く探っていく筆先などは専門誌ならではの醍醐味だと思います、靴屋ではないですが、ニューヨークのテーラーを紹介したコラムにトム・ウルフの仮縫い風景が載っていたのには驚きました、これは今のうちに揃えておくべきです、
海外だけでなく、日本のシューメーカーを積極的に紹介していく姿勢は、我々のようなある種の想いを抱いて靴を作り始めた靴屋や職人にとっては、何よりの励みになったと強く思います、


編集長の菅原さんは、その人望とともに、あのウルサイ大久保が「あの方は、木型を見せても見るポイントが違うんですよ、よく知ってらっしゃいます」と信頼を寄せるジャーナリストでもあられます、

語りたいことはいっぱいあるのですが、僭越の度が過ぎても失礼になります、

今度の日曜は、「LAST」とそのバックナンバーともに、良い春の一日を過ごしてみようと思います、





copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi Hanakawa


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by momotosedo | 2009-04-10 01:47 | NEWS