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3月30日(晴れ)  100年素材 「ビンテージ スイスコットン」  春の桜色 Ⅱ






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21st Century
Elegancy


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RIKUGHI SAKURAVINTAGE PINK






「Think PinkⅡ」
Vintage SAKURA Pink
bespoke shirts
to Watch the Girls go by





春の桜色の第2弾は、70年代から80年代にスイスで織られた、ビンテージの桜色です、

この時代の「スイス コットン」は、極めて糸が良く、タイトによく織られていて上質です、そして、デザインと色出しが良い、これも、実に優しげで上品な「桜」色です


ピンクのシャツを着てフランスのトウーケの飛行場に悠々と降り立ち、当時の保守的なソサエテイーの物議を醸し出したウインザー公をはじめ、綺麗な「ピンクのシャツ」というのは、古からダンデイたちの冒険心を誘うチョット気になる色でした、多分、この色には着る人の気分を開放してハッピーにさせてくれる不思議な魅力を感じるのでしょう、なんとなく、その気持ち、分かります、







良いコットンのシャツ生地を探していくと、いかに、この時代の「スイスコットン」が優れていたかが身に沁みて分かります、巷間、イタリアのものが良いと囁かれていますが、私は、この時代のスイスの生地の方が色んな意味でズイブンと優れていると実感します、


今のスイスの「実際」は、時代のせいで「壊滅的」なのでしょうが、それでも「スイスコットン」という表記が、いまでもある種のクオリテイーの評価として根強く残っているのは、それを現実に紡いできた過去の実績があるからでしょう、


実際に、この時代の「スイスコットン」には、今ではなかなか難しくなった幾つかの優れた点があります、







先ず、糸が非常に良い、大概の場合、ビンテージとして手にいれた時点では「スイスコットン」という表記だけで、どこの綿をつかっているかを細かく表記している事は稀ですが、多分、当時でも非常に上質なシーアイランドかそれに類する綿を使っているような気がします、

それは、当時、英国で注文した手持ちのなかでも上質なシーアイランドコットンのシャツと比べてみて、そう思います、ただ、この時代は良いシーアイランドコットンは、ほとんどが英国に輸入されていたらしいので定かではありませんが、、、そして、スイスコットンの優秀さは、「良い糸にする技術」、紡績技術に長けていることです、

スイスでも90年代前後に多くの紡績工場が閉じられ、(スイスコットンのメッカだったサンガーレンも、全盛期には製糸取り引きの中心地でしたが、今や紡績工場の数は格段に減っています、)今ではやはり「ブレンド綿」が主流になっていますが、繊維の長い綿(今は、主にスーピマ綿を使っていると聞いたことがあります、)を厳選し、職人的な気配りで紡いでいく歴史はまだ残っているとは思います、

そのなかでも、この70年代~80年代の、「スイスコットン」は、ハイテクや「ブレンド」に侵略されていない最後の黄金期のような気がします、



最も特徴的なのは「染め」です、これは、今でもスイスがイタリアより優れている点で、環境問題への規制から化学染料を極力、使わないことにあります、だから、色が違うのです、これは、同じ仕様の「タータン」のシャツ生地を、イタリアとスイスで織らせてみて実感しました、

色の落ち着きが違うのです、多分、染料だけでなく、「染め方」も「現場」の作業のやり方も異なるのだと思います、


モウひとつは、「デザイン」も含めた「織り」です、私が欲しいのは、クラッシックなんだけれど、突き詰めた「質」があるものです(そこには、色の洗練具合とか細かいニュアンスがあるのですが、それは、ひと言ではいえません)、そういうものは、理屈を越えた「迫力」があります、

シャツはクラシックな柄が一番だと思います、今は、何か妙に凝っていて上手にスーツに納まってくれない柄が多い、そのくせ、上質でクラシックで良い柄を探そうとするとなかなか見当りません、この時代のスイスのものは、ストライプでもその幅や色が良かったり、柄モノでもその抑え具合がスーツやタイとの組み合わせを考えた「クラシックを知っている」デザインで秀逸です、






このビンテージスイスコットン、何よりその桜色が、気持ちの良い春の日を思わせます、薄いグレーやネイビーのスーツ、気取ったネイビーブレザーに合わせても贅沢なリラックス感があると思います、ベージュや茶系とも相性が良い、

ちょっと、リラックスしたい、華やかな気分になりたいときに、この少し薄めの優しいピンクが手助けしてくれるでしょう、、私はこう呼んでいます、bespoke shirts to watch the Girls go by、、、、


ビンテージ生地なので、今回も限定です、、

「100年素材」
「ヴィンテージスイスコットン ピンクストライプ ビスポークシャツ」 限定5着

(仮縫付き、フルハンド)

¥50,000-(税込み¥52,500-)


*僭越ながら完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
phone 03-3563-7556
telefax 03-3563-7558








copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi Hanakawa
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by momotosedo | 2009-03-30 21:39 | ■100年素材

3月29日(晴れ) 100年素材 「至高のコットン」 Spring Is Nearly Here  春の桜色




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RIKUGHI SAKURAPINK FINX 2009






「Think Pink
至高のコットンfinx cotton



100年素材」の研究テーマとして、今まで見たことのないような素材の開発とともに、実は、もうひとつ私には大切にしているテーマがあります。


それは、「色」です、
色の開発、理想の「色」を創り出していくことです、


「美しい色」というのは、とても大事で、やはり、人は「色」の美しさに魅かれ、癒され、その美しさで何となく心ウキウキと愉しくなったりします、そういう経験はないでしょうか?



ところが、意外に生地で美しく、良い色、そして仕立てて納まりも良く、上品にみえてくれる「色」は、なかなか見当りません、


私なりに、この「色」への取り組み方を分析してみて、ひとつ思い当たったのが「薄さの上品さ」です、


何故、今の生地に現れる色が気に入らないのかと考えたとき、マーケテイング的には「分かりやすさ」が必要だからなのか、
全ての色が目立とう目立とうとしていて、実際に服として着ると、かえって安っぽくて、着ている人を落ち着かない印象に見せたり、最初は良いとしても本人もすぐに着づらくなったりするものが多いように思えます、


ところが、単なる「パステルカラー」に終わらせないニュアンスのある色というのは、実際にやってみるとテクニカルにも作業としても案外に難しい、やっているうちに迷いはじめます、



今回の100年素材は、心をウキウキさせる色がテーマです、

そこで思い出したのが、旅に出掛けるときにはいつもトランクに忍ばせている綺麗な「サックスブルー」のスポーツコートです、、これは、カシミアとシルクで織られていて、発色も綺麗で、重宝していると同時に旅のウキウキとした気分を醸し出してもくれます、ウエストヴィレッジで日曜日の昼下がりにブランチをとるときも、気持ちの良い日に古本屋を散策するときも、このスポーツコートは随分とお共をしてくれました、


でも、それは、もう20年以上も着続けていて、そろそろもう一着欲しくなりました、

では、綺麗な「サックスブルー」を、イヤイヤ、

私には、もうひとつ春になれば着ようと思い続けていた色があります、
日本の薄い桜色、
上品なピンクです、


季節もちょうど櫻の満開へと
向かっています、愉しい気分になろうじゃありませんか、



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至高のコットン
Finx cotton



そして今回、その「上品なピンク」を実現させるために選んだ「100年素材」が至高のコットンといわれる

フィンクス」です、このコットンはチョッと面白いです、


近頃の「シーアイランドコットン」は、どうも昔のものとは質が違うように思えて仕方ない、というお話をブログでも書かせてもらいました、

それで、ズッと、「コットン=綿」について研究していました、ヒントは、ロンドンの職人のひとりが云った
「昔のシーアイランドコットンは手摘みをしていた、」という言葉でした、



私は、その言葉の意味するところが、分かるようで、もうひとつ何か引っかかるところがありました、それで、徹底的に探ってみました、そして、私にとってはショックな事実が判明しました、私だけが知らなかったのでしょうか?


つまりこういうことです、「今の綿はブレンドされている」のです、コストを抑えて「良いコットン」をつくるために、
現在の「コットンづくり」はいかに、色んな種類の綿を混ぜて「良いコットン」をつくるかということに注力しているのです、


まるで、「お米」や、はたまた偽装「肉」を思わせる話です、



その一方で、職人が言った「手摘み」が何故、大切なのかという意味も分かりました、
ひとつひとつ手で摘まれることによって、枯れ葉や、枯れ枝、そしてまだ未熟な綿花の混入を避けて、
綿花を「痛めず」に収穫できるのです、考えてみれば当たり前ですが、「痛めない」というのが、あとの糸づくりには重要です、
そして、人間が収穫の時点で綿花の良いものだけを選別しているのです、
これは、気の遠くなる作業です、


もちろん、ブレンドしているようなコットンは、機械がやみくもに収穫していきます、



さらに探索していくと、ただ、一種類だけ「手摘み」をハッキリと謳っているものがありました、
それが、ここでご紹介する「フィンクス」です、



フィンクスは、ナイルでとれるエジプト綿です、エジプト綿自体が繊維の長い高級綿として今や高番手コットンの素材の中心となっていますが、「フィンクス」は、このエジプト綿のなかでも最高品質のものだけをより分けたものです、
その紡ぎ方も独特で、職人によって糸を引っ張らず、糸の「味わい」を出すように紡がれていきます、
混ぜ物のない、「純血種=単一綿」であることはいうまでもありません、
(聞いた話では、フィンクスは、エジプトにあったコットンとシーアイランドコットンを交配させ、シーアイランドコットンよりも、より繊維の長い、より優れたものを創ろうとして生まれたものらしい、)



今回はフィンクスのなかでも、より選りすぐった糸を選ぶことができました、(触ると少しヌメッとした柔らかさがカシミアを思わせます、この感触は、いままでの「コットン」の概念を覆すと思います、)



実際に織ったフィンクスを検証してみると、確かに繊維が他のもの(シーアイランドコットンを含めて)よりも極めて長い。
繊維の長さは、頑丈さに繋がります、非常に繊細な表情をしているけれど丈夫です。


面白いのは、前述したように、織りあがった生地のタッチがカシミアに似ていることです、かなりタイトに織り込みましたが、
触ると予想外に柔らかな肌合いをしています、ここがフィンクスの特徴で、ちょっと他にはないところだと思います、
そして、シルクのような光沢をももっています、この光沢は魅力です、


今回のフィンクスは、かなり「上質」に拘れました。「100年素材」にふさわしい独自性と、美しさがあると思います。



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至高のコットン
Finx cotton





「色」ではやはりモメました、残念ながら、今回も限定です、

私は念のために「日本の色」という本から「桜」を薄めた色を選んで見本をもっていったのですが、
やはり、「見本」があっても試行錯誤するものです、「ビーカー出し」という色サンプルをつくる工程を何度も繰り返しました、

ただ、今回は、そのおかげもあって、「色」には自信があります、

素直に、意図した「薄さの上品」があるピンクに織り上げられたと思います、
(生地だけを見ると、もっとハッキリしたピンクにしたくなりますが、仕立てたとき美しいのはこのなんともいえない薄さです)


さあ、季節も春を待ちかねています、愉しくいきましょう、




「100年素材」
「フィンクス ピンク ビスポーク スポーツコート」 限定2着

(フルハンド、仮縫付き)
¥230,000-(税込み¥241,500-)

「100年素材」
「フィンクス ピンク ビスポーク スポーツトラウザーズ」 限定2着

(フルハンド、仮縫付き)

¥75,000-(税込み¥78,750-)


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by momotosedo | 2009-03-29 10:45 | ■100年素材

3月15日(良い天気) DID YOU KNOW? 六義の秘密2.「ノエル・カワードの裏地」





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DID YOU KNOW?
DID YOU KNOW?
DID YOU KNOW?



六義の秘密
裏地、この聖なるもの、
Secret Pleasure only for client





こういう話を聞いたことがある、
ロンドンのクラブのバールームで悪友たちとクダをまいていた或る深夜のことだ、話というのはノエル・カワードにまつわることで、1920年代から30年代のカワードは鋭くも、怖いぐらいにソフィスケートされたウイットで「ウエストエンドの帝王」として君臨していた、

さて、どこにでも、勘違いしているヤツはいるもので、コイツは、ロンドンの社交界でも少々自分の「ウイット」に自信があった、それで、「ウイットの神様」とも呼ばれていたカワードを一度、ギャフンといわせて自慢話にしたいと常々、機会を伺っていた、



チャンス到来、或るパーテイで運良くカワードと同席したソイツは、差し障りない話をしながらも、抜け目なく隙を伺った、

そして、シガレットケースを取り出そうと、デイナースーツの内ポケットに手をいれたカワードの裏地に、小さな綻びがあることを目ざとく見つけた、

「オヤ、カワードさんでもそんなものをお召しになっておるんですな、」、 その綻びを眼で示しながら、そして、何気なさを周到に計算しながらも、しかし少し咎めるようなニュアンスも忘れずに、ソイツはパブリックスクール出の発音で罠を仕掛けた、


カワードは、ソイツの視線を辿っていって、裏地の小さな綻びを認めるといかにもバツの悪そうな顔をした、二人のやりとりに気づいたテーブルのゲストたちも不躾にならぬよう気を配りながらも、興味深げな視線をカワードに向け始めた、ソイツが「してヤったり!」と心のなかで叫んだのは言わずもがな、気取られないように、しかし本当は息を呑んでカワードの言葉を待った、、、


Coward said、、、

カワードは、バツが悪そうにこういった、


「ああ、お気づきになられましたか、イヤ面目ない、ああ、ご明察の通り、これは私の『人間不信』の烙印です、

実は、馴染みの仕立て屋が、カワードさん、理想の服の芯地を知ってますか、というんですよ、実は、1ポンド紙幣(今の金で約2万円)をフ糊にひたして乾かしたものが、張りもあって柔らかくてそれは最高だってね、

商売柄、私はデイナースーツの仕立てには一家言ありましてね、常々、メイフェア仕立てには不満があったんですよ、それで、ああ良いよ、で、いったいどれぐらい必要なんだね、ソウですね胸周り、腰にかけてのフワっとしたところ、ざっと100ポンドってトコですかね、


っとここで、私はハタと気づいたんですよ、これは新手の詐欺じゃないかとね、
それで、お前、こうしよう、確かに芯地に使ったというのが確かめられるように、裏地に小窓を開けてくれ、
疑われるのは心外だ、分かりました旦那、しかし、あまり大げさな小窓というのも品がない、誰が見ても小さな綻びにみえるように細工しておきましょう、、、


で、それが、この、ホラ、覗いてみてください、たしかにポンド札が見えるでしょう、、、」



ソイツは、思わずカワードの裏地の綻びを覗こうと身を乗り出したが、ふいにカワードが上着を引っ込めてしまったので、勢いあまってテーブルの角に頭をぶつけそうになった、

ソイツの咎めるような上目遣いを、気が付かないふりをして、カワードは絶妙なタイミングでこうひとりごちた、

「ああ、そうだ、今日はデイナースーツを着替えたんだ、失礼しました、これは、単なる、チャンとした小さな綻びです、、、」

そうして、テーブルの客に少し笑みを投げかけると、平然と煙草に火を点けた、、、



札束を裏地に仕込みはしないが、
六義では裏地はシルクと決めている、



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「六義 オリジナル シルクライニング SAXE BLUE サックスブルー」





江戸の粋に「裏すぐり」というのがあるように、隠された「裏」に凝ることは何につけても密かで贅沢な愉しみといえる、

ただし、どんなに凝ってみても裏地は、所詮、脱がないかぎりは、人目に触れることはない、残念ながら、、
しかし、丹念に仕立てられたスーツには、それにふさわしい裏地が張られるべきもので、ビスポークのひとつの「愉しみ」がそこにあると私は確かに考えている、



選び抜かれたシルクの裏地をスーツの裏に密かに隠すことは、いつの間にか忘れられてしまった、もとより、それは極く限られた好事家のものだったのかも知れない、
でも、私は、その贅沢さが懐かしく、好きなのだ、



実際に良い厚手のシルクが張られたスーツを着てみれば分かることだが、「見えない」という理屈を越えて、着る人に「愉しみ」と自信に溢れた「贅沢」を与えてくれる、これは、保障できる、、



それは、仕立てられた服を自分のものに完結させる、最後の仕上げだともいえる、
これゾと思う生地をさ迷いながらも選んだように、それを身に纏う者は裏地を選ぶ責任までを果たすべきで、それにまたもう一度、迷うべきだ、そして裏地には他人の眼に遠慮のない、存分な美意識が許されている、


ひとつひとつのスーツには、それにふさわしい裏地があるはずで、それは、「ひとりひとりのクライアントには、」と置き換えることもできる、、、

いまも、問屋の片隅には、裏地用のシルクというものが売られているが、それは「選び抜かれた」というにはチョット気がひける、



アトリエには、ビンテージ生地とともに裏地として使おうと70年代の後半から、ことある毎に手に入れておいた様々な厚手のシルクがある、それはロイヤルブルーのペイズリー模様だったり、渋い小紋柄だったり、少し織り柄のある大人に相応しい上等のスノーホワイトだったりする、


中には、30年代にワースやデイオールなどのクチュリエに生地を納めていた、フレデリック・アッシャーの渋いゴールドのシルクも棚に眠っている、



時には、70年代に織られたカルロリーバーのシックなマルチストライプを、チョークのピークドラペル2つボタンのスーツの裏に、それに合わせるダブルブレストのウエストコートの背にも張ってみたが、それは色合わせとしては絶妙だったが、いくら絹のようにタイトに織られたコットンといえども、「滑り」に難点があった、


やはり、シルクが良さそうだ、


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裏地で大切なのは、先ず、その「質」である、

ただ、すでに理想とする質と重さのシルクは、年々手に入りにくくなっている、それが今の世の中なのだ、
それで、今年からは、テーマを決めて、理想のシルクの裏地をひとつづつ織らせることにした、



今回は、上の写真の「サックスブルー」で、今年は、この忘れ難い綺麗な青をテーマにしている、

このシルク生地は、しなやかさと同時に少し張りもあり、普通の裏地よりは、少し匁の重いものにしてある、それが私の好みのなのだ、
そして、撚糸で織って、皺の寄らない工夫もした、


「サックスブルー」という色は、色の濃淡に限らずネイビーやグレイなど男らしいスーツに抜群に相性が良い、単なるブルーとは違って、その組み合わせは「上品なエレガンス」と呼べる「空気」を生み出す、私の好みは、ダークネイビーのチョークストライプスーツとの組み合わせだ、

良い色の「サックスブルー」を探すのに苦労するように、良い色の「サックスブルー」を織り出すのにも苦労した、



























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by momotosedo | 2009-03-15 14:17 | ■六義の秘密

3月12日(晴天) 超100年素材 エキゾチック スウェード 1.「最上のエレファント」 限定3足のみ






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ついに、最上といえる「エレファント」を手にいれた、

「エレファント」は、昔と違ってあるにはあるが、どうも納得できるものがない、大久保はシューメーカーという立場から選び、私は古の「質」の記憶(ここが難しいところで、私はどうしても自分が生きてきたなかで触れた上質のものを基準としている、いまやソンなものは無いに等しいと分かっていても、)も含めて判断するので、我々の水準はめっぽう高いのだと思う、これを探し当てるには今や苦労する、二人してうなづくものはソウありゃしない、

今回は、、、「最上」といえるのではないだろうか、



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エレファント」はジンバブエやナミビア辺りの我々の知らない遠いアフリカ大陸からやって来る、この熱帯のエキゾッチクな革は天然のもので、なかなか手に入らないのは、その流通が複雑な規制のなかで行われていることにもある、


この「規制」によって、事実、象革は一時、完全にその姿を消した、
いま手に入るものは、数年に一度、個体保護のために間引きされるものに限られている、それもいつ市場に現れるかは予測もできない、
さらにこの革が完全に姿を消していた間に専門のタンナーもその設備を廃棄してしまい、終にはジンバブエにただ一軒のタンナーを残すのみとなった、いまや「幻の革」なのだ、


しかも、天然のものなので、厳密にいえば、この革は一枚づつ「質」が異なる、

象革はあれだけの巨体だから、背、腹、顔、、と細かく切り分けられていく、そして、その部分によって皺の入り方も、質も変わってくる、つまり、一枚、一枚の個体差が極めて激しいのだ、とくに文様の入り方は一枚として同じものはない、何が「最上質」なのかという価値感をハッキリと持っていないと判断ができない、

納得できる極上のものを探し当てるとなると、これは至難の技なのだ、


そういう意味では、クロコダイルよりもはるかに、最上のものを入手するのは困難極まりないといえる、




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検証してみると、象革は耐久性、耐水性(そう、雨にも強い、だから私はカントリーシューズに選んだ)に優れ、しかも、ブラシィングするだけで、永年の使用にもほとんど老化というのが見られない、これは自分で試しているから実感できる、(私は愛用のカントリーシューズをかなり酷使しているが、色が枯れて良い具合になったぐらいで全く出来上がったときの堅牢さを保ち続けている、そして意外に柔らかい、極上のものはしっかりとしていて柔らかく、履き心地が良いと思う、)

まさに、「100年素材」に相応しい稀な素材で、多分、愛情をかけてやれば、本気で100年を越えて生き続ける「超100年素材」だと思う、(「100年素材」で「超」をつけたのは、いまのところ「キャバリーシルク」と、この「エレファント」だ、「超」の刻印はやみくもにつけている分けじゃない、)





古のヨーロッパでは、この革はその頑丈さと、クロコやカーフと違って傷つきにくく、半永久的に贅沢な表情を保つことから珍重され、マレット(トランクメーカー)たちはこぞって、上流階級に向けて手の込んだ工芸品のような旅行トランクやバッグを特別製作した、


一枚として同じ模様のない「エレファント」は、「高貴の証」として極く選ばれた貴族たちに愛された、文献によると「幸せを呼ぶ革」として珍重されたともいう、極めて贅沢な素材であったことはいまと変わりない、



個人的には「エレファント」には、「Voyage(旅行)」という言葉がかぶさってくる、それは、我が家の納戸をひっくり返していたとき、某有名トランクメーカーのイニシャル入りの象革の旅行トランクを見つけたからだ、大昔は象革に手刷りでプリントしていたのだろうか、

実は、以前に紹介した私のエレファントの「カントリーシューズ」は、このトランクのノスタルジックで優雅な旅を思わせる感触から生まれている、それは、驚くほど「ソフト」な滑らかさを持っている、





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そう、極上の象革は、目が詰まっていて優しい手触りをしている、今回、手にいれた「エレファント」は、大久保にいわせると、「高級な絨毯のようで、思わず頬擦りしたくなる、」という、その表現にその質の上質と、希少性がある、


「エレファント」は通常、手に入れられる革の大部分は「腹」だが、私が愛用しているエレファントのカントリーシューズは「」の革を使って仕立てられている、「耳」は稀少な象のなかでも、もっと数が少なく貴重で、皺が非常に細かく刻まれていて、やはり「思わず頬擦りしたくなる」優しい柔らかさを持っている、

今回、手にいれた「エレファント」がどの部位なのかは、残念ながら表示がないので定かには云えないが、その極上の質とともに、刻まれた皺の文様が良い、


皺は少し深めで、抉られた皺と表面が織り成す天然の文様が赴き深い、
そして「エレファント」の色は、、、
「ニコチン」と呼ばれる濃い目の「タバコブラウン」が最もクラッシックとされている、この色は、かなり年数が必要だが愛用し続けると素敵に赴きのある枯れた色へと変身していく、多分、スーツやジャケットにも合わせやすいのではないかと思う、


この革からは、3足分のビスポークシューズが仕立てられる、ビスポークだからスタイルはお好みだが、せっかくの極上の「エレファント」だから、その表情を生かすためにも靴のフロントはシンプルなデザインにされることをお勧めする、




超100年素材
極上エレファント(”ニコチン”) クラッシックビスポークシューズ 」 限定3足のみ

(六義流の極めて丁寧なパーソナルラストメイキングと仮縫いつき、)

¥350,000-(税込価格¥367,500-)

*僭越ながら完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
phone 03-3563-7556
telefax 03-3563-7558





 









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by momotosedo | 2009-03-12 19:00 | ■100年素材

3月10日 DID YOU KNOW?   六義の秘密 1. 「裏メニュー」







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DID YOU KNOW?
DID YOU KNOW?





六義の秘密
裏 ・ メニュー
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の切れ目を縫って、先日、おいしい焼き鳥を食べに誘われた、なんでもジビエもあるそうだ、痩せなければいけないのだけど、「焼き鳥ジビエ」、、愉しみ、愉しみ、、、


フランス料理屋がやっているという、その焼き鳥屋はビルの上にあって意外に狭いけれどビストロ風といえなくもなかった、ただ、残念なことに「ジビエ」はシーズンがすでに終了しているとのこと、

それでも、ウズラやもろもろ、ゴマ豆腐の揚げ出し風と、不思議にフレンチ風の小技も効いていて、もともと日本の炭火で焼く「焼き鳥」は、昔から東京に戻ったときの愉しみにしていたので、満足出来た、
それにしても、ジビエも食べてみたかった、それで店長にシツコク聞くと、やはり12月末、歳の瀬が一等、材料も良いとのこと、「そのときには、メニューには載りませんが、部位と部位をつなぐ、名前はわかりませんが特別な部分を焼いたりしてお出しもします、いわゆる裏メニューですね」、なんとも愉しみじゃないか、


ところで、我がアトリエにも「裏 メニュー」が存在する、

それは、「カルソン」、ビスポークトランクスである、


f0178697_235724.jpg良い「カルソン」を探そうとすると苦労する、いや、男のシャツと同様、素材を含めてまっとうなものを手にいれるためには、身体にあわせて注文するしかない、

この「カルソン」は、もちろんフルハンドメイドで極めてクラッシックな作法でつくられている、
右の写真は、私のブルーストライプに白い衿のシルクのシャツに合わせてつくられたシルクのカルソンである、クレリックシャツにあわせて、左右で絞るリボンは白いシルク、そして前側の裏地も白のシルクが張られている、

シルクの身体にあったカルソンは、履いたときに少しヒンヤリとしてすべらかで、これは履いた人しか分からない豪奢な気分が味わえる、ピンク(!)の絹の特別製のカルソンを愛用していたというチャーチルの気持ちがよくわかる、







f0178697_23525846.jpg我々は顧客のデーターを徹底的に解析しているので、カルソンも身体にあわせて立体的につくられるのは無論のことだ、

そして、柄あわせ、味わいのある前ボタン止め、お尻の切り替えしなど、極めて古式にのっとて丁寧に縫われていく、
リボンで左右でアジャストするのが、最も着心地が良い、ビスポークなので、快適なフィット感がある、




f0178697_2353576.jpgシャツと同素材のカルソンというのは、誰にみせるというわけではないが、そこには、日々の「贅沢」があると私は思う、心を豊かにしてくれる、

なにより、ビスポークのカルソンは、履き心地がやはり違う、既成のトランクスと比べると、その立体性と細かい配慮の次元に雲泥の差がある、これは、自分で試して工夫を重ねた、




f0178697_23545160.jpgただし、この「ビスポーク カルソン」は、クライアントからはオーダーできない、「カルソン」だけの注文も、もちろん受け付けていない、

私が「カルソンはどうしますか」と尋ねたときのみ、オーダーを受け付けている、「裏メニュー」とはそういうものです、

手縫いのカルソンは縫うのに驚くほど手間と時間がかかるが、値段は驚くほど安い、これは顧客の方へのプレジャーとして私は考えています、





六義の秘密」は、この「ビスポーク カルソン」だけでなく、実は裏メニューは他にも密かにポケットに隠し持っています、しかし、それは今は秘密にしておきましょう、「前触れなく突然或る日、現れる、」それが愉しいんだと思います、


初めてアトリエを訪れて頂いて、ビンテージの布のコレクションや、テーラリング、ハウススタイルに触れて頂いたクライアントの方からは、後日、仮縫いの打ち合わせなどでメール交換をしていると、必ず「魔境」のようなとか、「迷宮」のようなという言葉を頂きます、、、これは本望です、我々は実際、「魔境」や「迷宮」を目指しています、ビスポークの際限なく深い「愉しみ」を味わって欲しいと、それを願って研究し、探索し続けています、


どこかに、ゾクゾクするような店があるのは、都会の愉しみです、


60年代~70年代のロンドン、ニューヨーク、一部のパリには、服や靴だけでなくそういう店がまだありました、それは、ホントに私にとっては愉しみでした、

いまや、それはメガブランドやなんやかやで、跡形もなく消えてしまいました、ある種の「街殺し」だと嘆く人もいます、


消えてしまったのは、「何」なのか、それは店という形をしていますが、もっと大事なものです、、、











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by momotosedo | 2009-03-10 01:40 | ■六義の秘密

3月7日  超100年素材 「キャバリーシルク」 二重織り  クリースレジスタンス 限定2着のみ






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「Cavarly Silk」
最強のシルク




ちょっと、 変わったものを織ってみた、「キャバリーシルク」である、

ただし、「キャバリーシルク」という言葉は実際にはない、私がつくった言葉デス、つまり、最強の素材「キャバリー ツイル」をシルクで織るという「100年素材」でも、今回は、割りと(?)、「無謀」な部類に入るミッションである、



最強のウール素材、古の「キャバリーツイル」を、シルクで織れば頑丈かつしなやか、かつ肌に優しくオーガニックで、さぞや素晴らしいことだろうと思いついたのは、ニューヨーク37丁目のユニオンリーグクラブのクラブルームで古い「スポーツイラストレイテッド」を読んでいたときだ、

「天啓」は突如として舞い降りる、



無謀な試みには、人間としてのチャーム(魅力)と、したたかに用意周到な準備が必要なことは云うまでもない、


先ず、60年代に織られた本物の「クラッシック キャバリー ツイル」は幸いなことに手元にある、これで、本物の「タッチ」は確認できる、

そして、我々は或るミルで、「キャバリーツイル」の織り方のレクチャーを受け、それを徹底的に解体し、起こるべき「問題点」を予測した、

念のため、隠居中のかつて世話になったパーソナルテーラー翁にも電話をいれ、「古の本物と今のものの違い」など、「敵」にあなどられないための知恵も収集した、

あとの「人間的魅力」については私は根拠のない自信を持っている、それで適わない場合は美人助手の「色香」(ゴメン)という最後の手段もある、私には勝算があった、



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さて、その前に私が何故、こんなコトを思いついたかをお話ししておかなければならない、

どうしても、私には、高速織機が導入され番手の高い生地が全盛を誇るようになって、「良い生地」という概念が非常に単純化されてしまったように思えて仕方がない、


愛書家が、東西の稀刊本や歴史的な初版を書棚に積み上げて悦にいるように、ビスポークの愉しみのひとつは選び抜かれた生地の迷宮に迷うことにある、そして、一着、一着、得がたい素材で仕立てられた愛用品が、クローゼットに増えていくことに密かな悦びがある、


自然の草花の色を映したツイードや手織りのハイツイスト、見たこともないような質のものが遠い時代にどこかで織られたりもしている、そうしたものを見つけ出して、丁寧に自分に合わせた最上の仕立てで生涯の愛用の品を創り上げるのが「ビスポーク」だといえる、



しかし、いまや、一般的な生地の選択は番手がそこそこ高い単純な平織りのストライプか無地のもの、「ツイード」や「フランネル」が流行ったとしても、どういうフランネルか、どういうツイードなのかという追求はない、どうも平板に思える、人に例えれば話題も表情の魅力もない、話してもツマラナイ奴に思える、

人が泣いたり笑ったりして、豊かな人間性を積み重ねていくように、探しあぐねたり、織りを追及したりという経験がともなわないところに、コンテンツ(内容)は生まれない、何が良いのかも分かるはずもない、




結局、実は「生地」という奥行きをみんな知らないんじゃないか、クライアントもテーラーも実は生地屋も含め、何が「本当」に良いのかどうかさえ分からないのではないか、、つまり、眼をつむって歩いているようなもので、「情報」という耳に聞こえるものに右往左往させられているだけではないかと、、、、、


はたして、貴方は自信をもって「生地」を知り尽くしている、分かると言い切れるだろうか、


こうして、全世界的にテーラーの「織り」についての知識が決定して乏しくなった、
テーラーそのものが生地の実際を知らなくて、拘りをなくしてしまったので本物を見分ける眼も失われた、


これは悪循環で、生地に拘りがないから様々な織りのものを仕立てた経験も乏しくなる、しかも、バンチという「与えられた見本」に頼っている限り、それは変わらない、様々な「織り」を捜し歩いたこともなければ、実際に手にとったこともないだろう、


番手の高い生地が悪いというわけではない、しかし「良い生地」というのは番手だけじゃない、クラッシックでは用途に合わせて様々な織りがあり、そして「ツイード」と一言では片付けられないほど、古のものには美しい様々な織りの工夫がある、良い糸で織られた、良い織りのものは番手の高さとは違う次元で「良い生地」としての圧倒的な存在感を持っている、




これは、何かに似ている、こうしたことを我々は何度も経験してきたような気がする、本物のキュウリが手に入らなくなったように、昔の記憶にある干物の魚の味わいが消えたように、うっかりしているうちに、生きる愉しみのひとつひとつを失くしていく、





ビスポークの愉しさは、本物の生地と出会いそこから自分の一枚を選ぶことにもある、そこには、迷うほどの選び抜かれた美しい生地が揃っていなければ愉しみは半減してしまう、



「100年素材」で試したいと思っているのは、このいまや完全に知り尽くしていると自信を持って云える人は少ない、古の「織り」の様々を徹底して探っていって、解体し、さらには未体験の次元に上げていくことにある、


つまり、ビンテージの「織り」そのものを「復刻」することには、さらさら興味がない、


だって、私は自分で捜し歩いた古のビンテージの名品にすでに囲まれている、それでも、満足のいかない点を越えてくれるものをつくりだしたい、そうじゃなきゃ「革新」というものは生まれない、



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キャバリー ツイル」は、忘れ去られようとしている古の「織り」である、高番手の繊細な生地の対極にあるものだろう、多分、あまり人気がないのかもしれない、それより、知られていないのかもしれない、しかし、これほど「織り」の意志がはっきりしていて、その意図された用途において優れているものはない、



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「キャバリーツイル」はハイツイスイトのギャバジンの二重織りで頑丈だが、その特徴は「弾力性」にある、「柔らかい」というのとは違う、目が詰まって弾力があるのだ、



f0178697_12141100.jpg誤解を恐れず例えるなら、ここにゴムを薄く延ばして生地状にしたものがあるとする、真ん中をギュっと手で強く掴んでも、手を離すとサッとゴムは皺ひとつ残すことなく元に戻る、これが「弾力性=復元性」で、「クリースレジスタンス」ともいう、

「クリースレジスタンス」を持つものは、他にもあるがバリバリと硬いものも多い、「キャバリーツイル」の良いところは、弾力を持つ「柔らかさ」があるということだ、





しかし、私にはまだその「柔らかさ」に不満があった、その頑丈さと、復元性はそのままで、もっと、しなやかで、美しいドレープを描くものが欲しかった、

そこで、思いついたのがシルクでこの「キャバリーツイル」を織ることだった、


シルクは、このブログでも何度も繰りかえしているように、元来、天然素材のなかでも繊維の長い丈夫な糸である、それをハイツイストで二重織りにしてみると、かなり目が詰まっているが、驚くほどしなやかなものに仕上がった、それは当初の「キャバリーツイル」という質感を裏切るものでもあった、

何事も、やってみないと実感できないものだ、織りあがった生地は、「キャバリーツイル」という「手本」から離れて、独自の素材感をもっている、


厚いシルクはともすると、硬くなりがちだがこの二重織りは、極めて復元性に優れているが、すべらかである、ちょうどデイピオーニを肉厚にしてスラブを無くし、滑らかな表情を持たせた、と云うと実際に近いと思う、


二重織りにした段階で、この素材の面白さを生かすためには、斜め63度のツイル織りはかえって用途を限定してしまうように思えて、表面をシンプルにつや消しのマットな表情に仕上げることにした、これならば「スポーツ」に捉われず、エレガントなタウンスーツとしても納まる、色は、クラッシックな「トープ ベージュ」にした、


そして、この「キャバリーシルク」は、デイピイオーニ同様に、ウールウーステッドよりも美しいドレープを描く、







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*僭越ながら完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
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by momotosedo | 2009-03-07 14:36 | ■100年素材

3月5日  東京おぼえ帖 3.  「雲の上は晴れているさ、」





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dreams、、tears、、lament、、& You、、TOKYOSONGS、、
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安田は、抜群の身体能力を持っていて、子供の時は鉄棒が得意だった、放課後の校庭で背伸びをしても届かない鉄棒にラクラクと飛びうつり、クルクルと美しい大車輪を披露して私たちは感嘆した、


東京に戻ってきて大学に通っていたとき、綺麗な女の子を街に見つけにいくときには、安田と連れ立っていた、


平田もハンサムだったが、女の子たちは、安田の天才的な運動神経の魅力を初対面でも敏感に感じ取っていた、そういう匂いがするのだろう、





その夜は、安田の提案で新宿に遊びにいった、安田は高校が新宿だったから歌舞伎町は安田の遊びなれたホームグラウンドだった、当時の新宿高校は進学校にしては変わっていて「遊び人」が多かった、他の高校よりは、少しヒネた大人びたような連中が多くて、今思えば、「時代の空気」を感じさせるところがあった、

その夜、安田と会ったのは女の子が目的というわけでもなく、安田が「チョット、相談がある、」と言い出したからだった、



安田は、一浪して早稲田の政経学部に通っていた、平田とは違う意味で、安田なりの「センス」を身に着けていて、大学では「優駿クラブ」という競馬の同好会に入って、夏休みには北海道に馬を見に行くから、一緒にいかないかと誘われたこともある、


分厚い、馬の血統を示すなんとかという辞書みたいな本を時折携えていて、喫茶店で待ち合わせると読みふけっていたりした、その頃、流行っていたデイスコにも安田なりの分析と一家言があって、「あそこの小屋には、綺麗な娘が集まるが、ここに集まる娘はダサい、けど不良っぽい娘がいるから口説きやすい、」とか「実地の知恵」があって、飄々と遊び慣れた安田と出歩くのは愉しかった、

そんな安田と「相談」という言葉は、いかにも意外で似合わなかった、いったい、何を私に相談したいと云うのだろう、、、
































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by momotosedo | 2009-03-06 02:16 | ■東京おぼえ帖

3月1日  100年素材 「クラッシック トープ ギャバジン」 本物のサファリジャケット限定3着







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BESPOKE CLASSIC SAFARI JACKET
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クラッシック サファリジャケット
ちょっぴり70年代 パリ左岸風

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は、「サファリジャケット」を10代の頃からコレクションしている、数えたことはないけれどそれはかなりの数になるのではないだろうか、一着も捨てたことがない、「サファリジャケット」にどうしても愛着を感じるのは、それが忠実な愛犬のようにどこにでもついてきてくれて、実に機能的で旅の相棒としては頼もしく、フォレステイェールなんかよりは、ずっと男っぽい味わいを感じさせる、というだけでもない、


「サファリジャケット」の歴史を調べてみると、意外にそれは古の優雅な時代に遡っていく、







f0178697_024142.jpgサファリジャケットといえば、思い出すのがパパ・ヘミングウエイの姿かもしれない、そのせいで、この極めて機能性に優れたジャケットを「アメリカ」が出自だとか、「アーミーウエア」だと考えがちかも知れないが、これは正真正銘のスポーツクラッシックで、それはチャールズ皇太子なども熱帯の国を訪問する際にはいまも愛用していることからも分かる、



(右の写真は、1925年製のウインザー公が愛用していた、「サファリ スーツ」、公らしいちょっと変わった工夫がなされている、1928年にウガンダを訪れた際にも公はこのサファリスーツを着用している、公は、この他にもいくつかの特別製のサファリジャケットを仕立てさせて愛用していた、王族は「狩り」を好んだ、)

つまり、「サファリジャケット」そのものは、「サファリ」という贅沢で優雅な王族のスポーツ趣味から生まれた由緒正しいクラッシックなのだ、
「サファリ」というのは、ご存知のようにアフリカ大陸への狩猟旅行のことだ、いまでもウガンダには英国女王の名を冠した野生自然公園がある、1920年代へ遡る古から、ノブレスたちは刺激を求めて、アフリカ大陸へ出掛けていった、
30年代に、しきりに紳士のオフデユーテイの一着として愛用されたのも、そこに理由がある、優雅なスポーツクラッシックをタウンやリゾートに応用したから意味があった、間違っても「アーミーウエア」と同列においてはいけない、






このクラッシック ヘビーデユーテイが、再び一般の脚光を浴びたのは、70年代、サンローランがコレクションのハイライトとして用意した「クチュール サファリ」であった、

この「クチュール サファリ」は、様々なデザインバリエーションを生み出し、ハイエンドからストリートまで大きな影響を及ぼして時代の「アイコン」となった、サンローランは、「ファッショナブル」というお墨付きをこのジャケットに与えたが、もともとはサンローラン自身も、「サファリ」というアイデアを当時の若者から拝借したといえる、ただ、やはりサンローランの「解釈」はフレッシュで刺激的だった、




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100年素材」のいつでも気軽に何とあわせても愉しめる「カジュアルジャケット」を考えていて、古の「スポーツクラッシック」をひも解いていくうちに、どうしても、この「サファリジャケット」のことが気になって仕方がなかった、

私の頭の中では、古の「スポーツ」と70年代の「刺激」が、このジャケットを巡って渦巻いている、

今回は、古のスポーツクラッシックとしての「サファリジャケット」に、70年代パリ リブゴーシュの匂いを少し気取って、ラペルは少し大きめに、腰ベルトは、ボタン止めにして背にアクションプリーツを入れる、ライニングはない、(ただしビスポークなので、好みのスタイルでも)



そして、この特別製の「サファリジャケット」のために、ちょっと贅沢な「素材」を用意した、


60年代の先染めの極めてクラッシックに織られた「ビンテージ トープ ウールギャバジン」である、トープ(少しピンクっぽいベージュ、いまやなかなか見つけることのできない色だ)のギャバジンスーツは春夏の紳士のワードローブとしてはクラッシックな一着でもある、そう、本来はクラッシックなスーツを仕立てるべき秘蔵の生地なのだ、


そういうわけで、今回も限定3着しかつくらない、
(もったいなくて、つくれない、しかし、このビンテージギャバジンを使うからこそ、この「サファリジャケット」が唯一無二の「ビスポーク」と云えて永遠の価値を持つ、それは分かっているけれど、やはりもったない、このジレンマ、、、)


クラッシックギャバジンは、いまの高番手のものより、しっかりしていて少し肉厚である、いまのギャバジンはもう少し繊細で、それなりに美しいがこれには味わいがある、私が70年代に仕立てたデービーズ&サンズのスーツも、このクラッシックギャバジンを使って仕立てられている、

しかし、このクラッシックギャバジンはくまなく問い合わせてみたが織っているところが見つからない、


ギャバジン自体が、いまや「好まれない」生地なのだ、織るのに手間がかかる、「歩留まり」が悪い、テーラーにしてもアイロンの当たりがつきやすく、ハンドルするのに神経を使う、

しかし、美しい、


サファリジャケットは、コットンギャバジンのものが大半なのだが、私はウールギャバジンの方が贅沢で良いと思う、第一、ドレープの出方が違う、コットンのものはシルエットが出しにくく(アイロンワークが効き難い)平面的になりやすい、この意外に味わい深いシルエットを表現できないように思う、


そして、「サファリジャケット」こそ、ビスポークで身体に合わせて仕立てるべきだと思う、既成のものはポケット位置やウエストラインがどうしても微妙にズレてしまう、ビスポークの「サファリジャケット」、特にこのクラッシックトープギャバジンで仕立てたものは、未体験の優雅なシルエットを描く、
世紀を越えて愛せる贅沢な一着になることだろう、この「サファリジャケット」は、本当に「価値」があると思う、



極めて贅沢素材 3着のみ
「BESPOKE クラッシック サファリジャケット」 
ビンテージ トープギャバジン(ウール100%)製

(仮縫いつき、フルハンドメイド、アンライニング)

¥23,0000-(税込価格¥241,500-)

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by momotosedo | 2009-03-01 03:31 | ■100年素材