カテゴリ:■六義の秘密( 6 )

1月18日 「that 、、Touch of Silk 」 Bespoke Scarves&Pocketsquare


f0178697_931592.jpg「贅沢なクラシック」|Bespoke ClassicScarves&PocketSquare



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六義の秘密
Touch of Silk
Vintage Lyonnais Silk
Bespoke Classic Scarves&Pocketsquare

Secret Pleasure only for client






六義のアトリエには、ここ20~30年間で蒐集した宝物のような生地が無造作に「山積み」(文字通り、山積みです、クライアントの方がお越しになる度に何かまだ見ていない宝物がないかと探索されるので常にケイオス状態です、)にされています、


もう20~30年前となると自分でも覚えていないものもあり、ふいにどこからかフランスで織られた100%キッドモヘアなどというものが出てきたり、その度にクライアントの方と一緒に見入ったりと、ボケるのも悪くもないなあと思います、


これだけあっても、私はまだ探し続けています、しかし、永年経ると私でも選ぶ眼は厳しくもなり、また捻くれてもいるので一度手に入れたような生地はたとえ今はなくても手に入れる気持ちがわかず、良質なものを100見つけても5か6選べれば良い方です、

しかし、ずっと探し続けています、手を抜かず、情熱を失わないことを肝に命じながら、、、

何故なら、そう云う風に探し続けていると不思議に一年に一度か二度、トンでもないものに巡り合うことを知っているからです、



「贅沢なクラシック」



それは大概、思ってもみなかった経緯、考えつきもしなかった場所から現れてきます、これは生きることと同じで、やり続けているとモノごとは派生していき、発展し、思わぬことを呼び寄せるものです、

最初に思い描いていたプランは常に裏切られ、本当に大切なのはやり続けていくうちに発見する兆しに敏感に素直に反応していくことだと実感していきます、


「贅沢なクラシック」



ここ最近の「トンでもないもの」は、70年代にパリオートクチュールのためにリヨンで織られたシルクの「端切れ」です、これを織ったミルもいまはありません、


「100年素材」の研究用にと思って手に入れたものですが、これはもう次元の違うものです、多分、コストとか織りの効率などは考えてはいない、とにかく「ベスト」を作り出すために織られたものです、


この「端切れ」を手に入れた経緯も私の思い出の一部になっていく興味深いものでした、




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Vintage Lyonnais Silk
Bespoke Classic Pocketsquare



生地というのは、本当に様々だなあと思います、いろんな表情や性格をもっていて飽きることがありません、

「良い生地」というのは、「声」みたいなものをそれぞれに持っていて、こうして様々な生地が集まるとそれらと「対話」していく「愉しみ」みたいなものが生まれます、それが「Bespoke」の愉しみのひとつだと私は心から伝えることができます、私自身も「bespoke」に遍歴していったその大きな「愉しみ」のひとつがここにあります、


うず高く無造作に積み重なった「宝物」の山は、アトリエを訪れたメンバーの方の「愉しみ」の証左です、

多くのミルが廃業し効率的な「バンチ」が生まれ、「トレンド」と称する薄っぺらなものが声高にファッション雑誌で悲鳴を上げていても、そんなものに貴方は惑わされる必要はありません、午後のひとときをお茶でもゆっくり愉しみながら、この「山」と対話しましょう、


ClassicBespokeの「贅沢さ」はここにあると思います、そして、この「贅沢さ」が紳士をつくり、そのじっくりとさ迷う「愉しみ」が、大袈裟にいえば男の人生をどこかで支えていると私自身のことを振り返っても思います、FastFoodみたいな「bespoke」は意味がありません、





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Special Woven Linen
Bespoke Classic Scarves
"RIKUGHI NAVY"



これらの「端切れ」は織りも様々です、それぞれにホレボレします、

手織りのものや、極めて古代的なジャカード織りや、まるで中世のゴブラン織りのように分厚く織られたものなど、その織りのテクニックの豊かさと質はただただ唸るばかりです、

精緻な非常に密度の高い織り(多分、通常のものの3~4倍の密度でしょう、)であることはもちろん、糸や色が極めて素晴らしい、次元が違うと思います、

これは、多分、再現はできません、もし再現できたとしても、或る意味では「怖い」世界です、

アトリエでは、この「端切れ」をつかって、ハンドメイドのポケットスクエアやクラシックなスカーフのBespokeサーヴイスを始めました、

これは贅沢です、別の言葉で表現すれば「もったいない」とも云います、「適正」な値段、ただし、クライアント、メンバーのみのサーヴイスです、これだけでのご注文は残念ながらお請けできません、

仕立ても、出来うる限りの贅をつくした手仕事です、それがこの「端切れ」に対するリスペクトだと思います、



「Bespoke ClassicScarves & pocketSquare」
「70
年代オートクチュール リヨンシルク の端切れ」 限定素材

(他に特製リネン、ヴィンテージシルク&ウールなどもあります、)

PocketSquare ¥15,000より(税込み¥15750~)
ClassicScarf ¥38,000
より(税込み¥39900~)

*僭越ながら完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
phone 03-3563-7556
telefax 03-3563-7558



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Vintage Silk&Wool
Bespoke Classic Pocketsquare
"Ancient Paiseley"





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by momotosedo | 2010-01-18 09:04 | ■六義の秘密

11月24日  「Made in England」



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六義の秘密
Made in England
ClassicEnglishSocks
Secret Pleasure only for client



「ソックスは足元のタイである」、
(copyright 2009 momotosedo R.H. )

5年前に「六義庵百歳堂」にそう記したように、「装い」は足元まで貫徹してこそ「装い」となる、
東京に戻ってきて街を歩いていて違和感を覚えたのも、先ず磨いていない傷だらけの靴を平気で履く男と、その足元のソックスだった、そしてソウいうヒトに限って「ブランドの情報」に左右されている、

「スタイル」とは「明確な意志」である、本当は「知らないうち」に身についていたというのが品があって望ましいけれど、そうでない我々はモノごとの本質を「知る」ことから「意志」を固め始めなければいけない、

靴文化が浸透して日が浅い我が国では、いまだ「ソックス」について体系的(?)かつ理論的(?)もしくは悦楽的にも説き明かした書物、先人は残念ながら見当たらない、


ClassicEnglishSocks



ソックスは「装い」を決定する「足元のタイ」である、これは、靴ズレを防ぐ防御のものでなく、オペラ帰りの真冬のウィーンの凍てつく舗道から忍びよる冷気を防ぐためだけでもない、ましてやサンタクロースのプレゼントを受け取るためのものでもない、


これは「タイ」として捉えるべきものだ、


ヒョンなことから「Bespoke Tailor」と「Bespoke Shoes」のパーソナルショップを開いた私が、納得できるソックスをつくろうと思うのは極く自然の成り行きに思えた、幾分、エゴイステイックに我儘な私は、それにかこつけて自分用の理想のソックスを手にいれようとしていた節もある、シメ、シメ、、、

しかし、これは「構想」から指折れば、、ひぃ、ふぅ、みぃ、、実に四年の歳月をかけている、ある意味では「Bespoke ClassicTie」より面倒なミッションだった、いくら、六義は「研究し続けながら、Bespokeを革新していく」(copyright 2009 momotosedo R.H. ) と広言していてもだ、、、



ClassicEnglishSocks



こと「ソックス」に関しては、我々は「危機的」状況にある、この4年間で掘り起こした現実を知れば、貴方も悲嘆にくれることだろう、

私が調べた限りでは、「ソックス」の転換期は16世紀後半にある、それは一台の「ニッティング マシーン」の発明による、それまでは、これは「手編み」のものだったのだ、そう、プルオーヴァーと同じく、ソックスの本質は「ニット」であることを忘れてはいけない、

ニットに限らず、織物も「機械」の改良とともに「歩ん」できている、「100年素材」の研究では、この「機械」の研究は外せないものだが、この数世紀、「機械」はヒトの手を煩わせるものから、「機械」が「機械」を制御するものへと「進歩」している、


誤解を恐れずに云えば、この「手を煩わせる」ところに「質」が生まれる、
いま「ハンドニット」と呼ばれるものの多くは、正確には完全な「手編み」ではなく「ハンドフレームド」ニットと呼ばれるもので、省略して云うならば機械で編まれたものを「手」で組み立てるというものだ、これは悪いわけでもなく、よく考えられたものは「手編み」では適わない精緻さと、「手」の処理によるクラフト性をもっている、


そして、私の「理想とする」ソックスを探し求める旅も、「そういう機械」を探すことから始まった、


ClassicEnglishSocks



何故、「そういう機械」が必要かというと、この機械ではソックスの「つま先」が未処理のまま出来あがるのだ、それをヒトが「手」で「繋いで」完成させる、、「繋ぐ」、、つまり、このソックスにはつま先に「縫い目」が存在しない、


大概の今のソックスは、つま先に「縫い目」がある、「縫い目」は履いたときにストレスになり、「縫い目」があるのとないのでは格段に履き心地が違う、

たかが「縫い目」と云うなかれ、それは大きく違う、「縫い目」のない良くできたソックスは、文字通り「ふわり」と貴方の足をくるむ、我々のゴツゴツと醜い足も王侯貴族のように丁重に包んでくれる、


紳士のソックスには「縫い目」があってはならない、「素材」や「柄」も大切だが、ここがソックスの「本質」だ、



そして、簡単に「手で繋ぐ」という作業にも当たり前だが熟練を要する、その技を習得するのには少なくとも5年の鍛練が必要だそうだ、

多分、この5年という月日と、ヒトの「手」がかかるという理由によるのだろうが、我々がノンキに構えている間に「ソックス」さえ、その「本質」をひっそりと葬り去ろうとしている、


「ソックス」に限らず21世紀は、そろそろ「流行」でなく「本質」に気づくべき時代だと思う、「星ステッチ」や「キスボタン」など、奇妙に的外れな「情報」を「質」と勘違いし惑わされがちな我々が「真実」に気づいてさえいけば、モノごとの「本質」も「当たり前」のコトとして健全にあと一世紀ぐらいは残っていくかもしれない、


ClassicHaberdasherを立ち上げた理由も、実はそこにある、「情報」ではなく、より具体的な「モノ」を形作り届けることで「本質」を探る「愉しい」訓練をみんなと分かち合いたい、

ただ、そうは云っても「情報の檻」から出られない人も多い、


ClassicEnglishSocks



当初、私は「このソックス」を国内でつくろうとしていた、何故ならば「インダストリー」に組しないと決意した私には運賃や関税など「制作原価」に関係のないコストがかかるのも歯がゆかったし、もうひとつは、これは私の勝手な我儘かもしれないが、そういうものを国内に残しておきたかった、

しかし、結果は残念ながら「構造的」に無理だと判断せざるを得なかった、



国内の「靴下」工場は、兵庫県の加古川市に集まっている、私は先ず「そういう機械」が工場に残っているかどうかを確認し始めた、この過程で多くの工場の担当者の方とお話をさせて頂き、とても興味を持って頂き、丁寧にご対応頂いたが、根本的なところではやはり噛み合わなかった、


多分、私が「変わった柄」のソックスを作りたいだけだろうと捉われたのだと思う、「縫い目がない」ことはさておいて、「素材」(私はコットンではなくメリノウール、それもシルキーなハイゲージのエクストラファインメリノで作りたかった、)、「ボデイ」(日本人の小さな踵にしっかりフィットさせたかった)、「長さ」(とにかく、日本のソックスは短すぎる、ロングホーズのことではなくレギュラーソックスそのものが異様に短い、)、と話が進むにつれ、これはソックスそのものの「捉え方」が違うのだなと気づいた、


例えばこんな具合、

「アノ、コットンじゃなくてメリノウールでつくりたいんですけど、、、」

「ウール?、冬物ですか、、」

「イヤ、一年中履けるエクストラファインのメリノが、、、」

「エキストラ?」


「イヤ、イヤ、ともかく縫い目がないのが良いんですが、、、」

「縫い目?ですか、、」

「履き心地が良いンですよ、、」

「アっ、じゃあ5本指のソックスとかはどうですか、、」

「5、本、指、ですか、、、」

一瞬、クラシックバーズアイの5本指のソックスが浮かんでクラクラしたが、慌ててそのビザールなイメージを打ち消した、、、



「履き心地」の追求というよりは、我が国ではせいぜい「良い消耗品」ぐらいにしかソックスは捉えられていない、しかし、これは我々のせいでもあると思う、


ClassicEnglishSocks



というわけで、私はイングランドの片田舎まで赴かざるを得なかった、
ここには、今だにキルトに合わせるニーハイのハンティングソックスが、ガーターと呼ばれるタッセルがついた紐とともに「ビスポーク」できるソックスメーカーが存在する、


私を出迎えてくれたのは、英国が誇る「ヒネった」コメデイアンのステファン・フライを少し小太りにしたような担当者だった、、、

「アー、縫い目の無い、手でつま先を繋いだソックスをつくりたいんだけど、、」

「もちろんですとも、紳士のソックスに縫い目があってはなりません、、オオ、縫い目のあるソックスなんて、、考えただけでもオぞましい、、」
担当者氏は、本当に苦悶の表情を見せ、放っておくと悶絶死しそうに見えて、私は慌てて話題を変えた、


「アー、コットンじゃなくて良いメリノウールでつくりたいんだけど、、、」

我が意を得たりと、先ほどまで今にも悶絶死しそうだった担当者氏はガバっと起き上がるやいなや、稲妻のようにまくし立てた、

「もちろんですとも、紳士のソックスは極上のファインメリノであるべきです、、、最上のものはシルキーで、とくに、我が社独特の編みは、冬は空気を含んで暖かく、夏は湿気を放出して涼しい、ワタクシどもでは専用の牧場の専用の羊から特に繊維が細く長いエクストラファインのメリノを選び、アァタ、その肌ざわりの心地良いことといったら、、、」
終には「極上の肌ざわり」を想い出したように両手を握りしめ「天国の方」を夢見る目つきで見上げはじめた、


「アー、カシミアのソックスもつくりたいね、、」

「フ、フ、フ、旦那、良いカシミアがありますゼ、モンゴル産のとくに内側の細い毛だけを集めたホワイトカシミア、旦那もワルよのう、
しかも、ナイロンファイバーの周りにカシミアをツイストさせてますから、肌ざわり、風合いはカシミアそのままで丈夫ときたモンダ、」


「アー、クラシックな柄が良いんだよね、近頃のアーガイルなんか変にデザインされてて、、」

私の質問を手で制し、担当者氏は急に襟を正して、
「もちろんでございます、我々のソックスは歴代の王様にもご愛用頂き、本物のアーガイル、本物のバーズアイ、ご希望とあらば我が社のアーカイブを全てお見せします、
どうぞ、なんなりとお申しつけ下さい、」
、、、、


こうでなくっちゃ!

ClassicEnglishSocks



良いソックスは、良いラストで仕立てられたビスポークシューズのように履くと「気持ち良い」、

ソックスは「二の次、三の次」の「消耗品」ではない、実はここに「装い」の愉しみが潜んでいる、ソックスは「足元のタイ」である、


そして、この「良いソックス」は、気軽に適正な値段で手に入るべきものだ、

そのためには、そういうシステムを一緒に創り上げる「仲間」が必要だ、ClassicHaberdasherのメンバー諸兄、どうぞ、よろしく、





ClassicEnglishSocks」 

¥2,800~(税込み¥2,940~)
(ClassicEnglishSocksは、「ClassicHaberdasher」と銀座アトリエにて、、ただ、銀座アトリエは僭越ながら「完全予約制」です、)





*僭越ながらアトリエは完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
phone 03-3563-7556
telefax 03-3563-7558




『*「ClassicHaberdasher」も早や半年目を控え、色々考えたのですが、やはり「ブログ」とは一線を引いた会員を限定した愉しい「クラブ」のようなものをつくりたいと思っています、
ただ、「クラブ」ですから「ルール」が存在します、
僭越ながら、第一期のメンバーにつきましては、12月2日をもちまして締め切らせていただきたいと存じます、

2010年からは、少しシステムを変えて、「ClassicHaberdasher」へシンパシーを感じていただき、会員登録をご希望され、仲間になってやろうという方は、

bespoke@rikughi.co.jp

まで、ご連絡を頂ければ、ご説明のうえ「ID」と「パスワード」を発行させて頂きます、


いっぱい愉しみましょう、

R.H. 』






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by momotosedo | 2009-11-24 12:00 | ■六義の秘密

11月16日(冬空)  「BespokeClassicTie」




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六義の秘密
BespokeClassicTie
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ClassicHaberdasherのメンバーの方はすでにご存知の通り、銀座のアトリエでは「BespokeClassicTie」のサービスを始めている、

メンバーサイトで「BespokeTieをつくる」と宣言してから約一年、構想から指折り数えると約2年を経ている、この間、黄金期のA.Sulka & Co.の200本に及ぶタイコレクションを一本づつ精査し、今は無きリヨンの自社ミルの驚くべき「質」と「技術」で織られたSulkaSilkに迷い、ロンドンやウイーンの古の名店で仕立てられた1920年代からのタイを解体し続けた、


そして、結局は自分が抱き続けていた「想い」に戻っていった、これは、テーラリングやビスポークシューズへの「まっとうなアプローチ」をはっきりさせたいと探っていたときと同じだった、



六義の秘密



それは、簡単な言葉で綴れば「生涯寄り添って」くれる「味わい」とでもいうべきもので、時代に古びない「永遠性」と置き換えることもできる、

それを、どう説明すれば私が考えているそのままを伝えることができるのか、この「味わい」というのには、「素材」、「仕立ての考え方」、「技術の質」などすべてが細かく確かに関連している、

或る意味では、「Bespoke」というもののこれが本質なのかもしれない、


そして、さらに分かりにくいだろうことを云えば、この「永遠性」は見た目は自然で優雅でも、実は「かなり突出した」モノでなければ適わない、これは、私自身がこの半世紀で「Bespoke」した経験からはっきり云える、


「突出した仕立て」、「突出した質」、「突出した想い」、そういうものでないと「永遠性」を持ちえない、これは、考えてみれば当たり前のことだろう、


つまり「永遠性」は、かなり「先鋭的」な「クラシック」から生まれる、単なる「古い服のコピー」からは「生涯寄り添ってくれる」実質は何も生まれやしない、

「Bespoke」はフレッシュな生き物で、極めてオリジナルなものだ、

「Art&Classic」を六義のモットーに据えている想いも、そこにある、



六義の秘密



古の紳士たちのワードローブを探り、クローゼットを覗いていくと「クラス(或る階級以上)の紳士たちが身に着けるべきタイ」は極く限られた種類のものだったことが分かる、「スピタルスフィールド」、所属を現わす「クラブタイ」、カントリーやスポーツの時に締める「ウールタイ」、原則としてはこれだけだ、

あのウインザー公の「柄合わせのマジック」と云われるグラマラスな装いさえ、良く見るとタイそのものは極くクラシックなものを合わせている、

そして、ダンデイたちのタイは良く「使われ」ている、それらは、「今年流行の」パープルでもなく、「ナポリ製のナンタラ」でもないが、不思議にいまだ「輝き」を保ち続けている、今それをとりだして締めてみても、何よりスーツによく馴染んで「装い」を上品にしてくれそうに見える、事実、それらは、味わいをもって何にでも合う、

これが、生涯「寄り沿って」くれて、時代に古びない「味わい」を持つ「タイ」ということだと思う、

考えてみれば分かることだが、「タイ」に「永遠性」を求めるにしても、「流行」を求めるものではない、



そして、研究してみるとこれらはその「仕立て」にも共通した秘密があり、或る種の「法則」とでも呼べるものがあるのが分かってくる、



六義の秘密


私が蒐集した200本に及ぶ黄金期のA.Sulka & Co.のタイは、奇跡的にもプライスタグもそのままに(未使用の)「今、店頭にあって」もオカシクない完璧なコンディションのまま、A.Sulka & Co.と朱で刻印された白いボックス、10数個に入って残っていた、

それを見つけたのは幸いだった、

この黄金期の「SulkaSilk」は当時リヨンにあった自社ミルで織られている、
「SulakSilk」とワザワザ呼ばれるようにビスポークシャツとともに、これはA.Sulka & Co.のシグネチャー(看板)であった、
「看板に偽りなく」、この黄金期の「SulakSilk」は、「糸の質」、「設計」、「織り」、「考え方」ともにウルサイ私でも唸るぐらいに素晴らしい、
何より「最上」のものにしようという気概が伝わってくる、なにしろ、一番シンプルな「ダブルストライプ」さえ、ストライプによって畝の方向を違えて織られているのだ、(つまり例えば「赤」のストライプはホリゾン(水平)の畝で、「白」のストライプは斜め63度の畝でジャカードで織られている、)


この「SulakSilk」の織りのテクニックを語り出すとキリがない、大袈裟でなく、それほど驚愕するものが本当に存在していたのだ、



六義の秘密




そして、この黄金期の「SulakSilk」のタイと「今のタイ」を比べてみると明らかに「シルク」の「質」が違う、これらのタイを締められたクライアントの方がいみじくも漏らした、「なんか、スーツへの馴染みが違うんですよ」という言葉にいみじくもそれが現れている、

私もうすうす感じていたのだ、どうも光沢とか「味」が違う、今のタイはどんなに高価で「上質」と囁かれようと、「SulkaSilk」と並べてみると何だか光沢も不自然に見え、安っぽく感じさえもする、調べていくとそれは、「糸」の違いによるものだと分かっていく、



六義の秘密



今は知らないが当時は「チャイニーズシルク」が最上とされていた、70年代のロンドン、ハンソンストリートに古から続く一軒のシルク専門の生地問屋があり(今はもうない)、私はいつもスーツを仕立てるときには、懇意にしていたパーソナルテーラーとそこで裏地を選ぶことにしていた、

この当時のロンドンは今思えば生地好きには「天国」のようなところで、少し変わった柄モノのシルクを裏地にしようと思いついたときには、ピーターストリートにシルクに拘る小ぶりな店があった、そこにはナント1930年代のシルクが手つかずのままボルトで残っていたりもした、この店はウエストエンドのシアターを上得意としていて、1930年代の珍しい生地をオリジナルとそのリプロダクションの両方を揃えて、さながら店は「ファブリック ライブラリー」だった、

この時代に、レアなシルクを見て、触ったことが私のその後の「財産」になっている、しかし、白状すると当時はまだ私も若くモノをまだ知らず、それに「天国」にいたのでそれが「当たり前」だと思い込んでしまった、今、そこへ戻れるならば買い占めたかったモノがズイブンある、



六義の秘密


この2つの店が、口を揃えて云っていたのが「糸は上質のチャイニーズシルク」に限るという言葉だった、ハンソンストリートの店は、前世紀から「シルクの原糸」を中国から直接取り寄せていると自慢してもいた、この良い時代の極上のチャイニーズシルクは調べてみたがもう無い、繭や蚕そのもの、育て方、餌となる桑も違うらしい、或る人が桑から拘って、中国で紡ごうとしたがダメだったそうだ、

シルクを知る人ほど、今のシルクを嘆く、それが現状らしい、


六義の秘密


A.Sulka & Co.の黄金期は意外に短い、オーナーが頻繁に変わりせっかくのリヨンの自社ミルも途中で手放してしまった、A.Sulka & Co.という織りネームがついていても数年の黄金期以外は時代に引きづられた迷ったモノづくりをしている、「Sulka」とだけ記されたネームのものにはもはやその面影もない、そして最後はイタリア製のカジュアルウエアに成り果て消えてしまう、


果たして、我々は「進化」しているのか、「退化」していっているのか?

今のメーカーや、百貨店やセレクトショップや雑誌を見ていると、いまさら「小売業の販売革新」とやらにつきあいたくもなく、私は残された時間をモノづくりにドップリ浸りたい、



六義の秘密


タイの本質は、「装い」に馴染み、深みを与える「味わい」と、時代に古びない「永遠性」にある、これが私が欲しいタイだ、

研究していくと、タイづくりに抜け落ちていたのは、「裁断方法」だということに気づいていく、素材の良さを「自然」に生かし、生涯の愛用に答える「タイとしての構築性」の両面を適えるためには、生地の動こうとする流れに沿って裁断し、丁寧に仕立てることが大切だと気づく、これは、テーラリングそのものだ、

この「BespokeClassicTie」は今までの既成概念に拘らない、かなり独特のパターンと仕立て方で、ビスポークシューズがすべて革でできているのと同様、すべてが同素材で作り上げられている、






BespokeClassicTie」 

¥18,000~(税込み¥18900~)
(パーソナルパターンを「Bespoke(話し合い)」しながら作成します、、長さ、幅、ノットの大きさを指定しながらご自分なりのエレガンスをおつくり下さい、)



*僭越ながらアトリエは完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
phone 03-3563-7556
telefax 03-3563-7558




『*「ClassicHaberdasher」も早や半年目を控え、色々考えたのですが、やはり「ブログ」とは一線を引いた会員を限定した愉しい「クラブ」のようなものをつくりたいと思っています、
ただ、「クラブ」ですから「ルール」が存在します、
僭越ながら、第一期のメンバーについては、12月2日をもちまして締め切らせていただきたいと存じます、

2010年からは、少しシステムを変えて、「ClassicHaberdasher」へシンパシーを感じていただき、会員登録をご希望され、仲間になってやろうという方は、

bespoke@rikughi.co.jp

まで、ご連絡を頂ければ、ご説明のうえ「ID」と「パスワード」を発行させて頂きます、


いっぱい愉しみましょう、

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by momotosedo | 2009-11-14 14:25 | ■六義の秘密

4月4日(桜が咲いている) 六義の秘密 3.  「ソサィエティーのクラシック」とハウススタイル







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大久保クシャミで途切れたから、その話の続きを少ししてみよう、話というのは「ソサィエティーのクラシック」についてだった、それが六義のハウススタイルに繋がっている、



「ソサィエティーのクラシック」は、「社交」というものの上に成り立っている、
「社交」の上手な人は、「エレガント」、或いは「チャーミング」と呼ばれ愛される、どんなに優秀でも「社交」が下手な人は「変わり者」と呼ばれる、

この「社交」というのは、貴方が思い浮かべるものとは少しく違うかもしれない、
当時の「有閑人種」(職業をもたない社交会の人種)にとっては、それは「生活」の大部分を占めるもので、それだけに「Art」と呼べるほど洗練され、磨き上げられてもいった、


「社交」とは、とくに第一次大戦前の社会では、ロイアルファミリーを頂点として或る程度の「同質」のサークルのなかでの「つきあい」を意味していた、


つまり、「社交」という言葉とは裏腹に、それは極く限られた人種の間で行われていたもので、外部の者にとっては「閉鎖的」といえて、内部にいる者には、ごく当たり前のことが、外からは推し量るしかなかった、


ここに、クラシックというものが「誤解されていく」理由がある、


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クラシックな服や靴というのは、この「社交界」の「つきあい(社交)」というものを源にしている、


それは、大げさなものではなく、愉しく美しいものだけれど、ある意味では特別なもので、「いわゆる服や靴」とはやはり「違う」のだと思う、これはハッキリといえる、
しかし、説明するのは難しい、一々説明するのも、されるのも、なんだかヤボともいえて、「知っているひとは、知っている」だけで良いのではないかとも思ったりする、

そう云ってしまいたいけれど、それでは話は終わってしまうから、上手に説明できるかどうか分からないが試みてみよう、




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「クラシック」な服というのは、単体として存在しているわけではない、その「サークル」の価値観みたいなものと繋がってしっかりと在る、
外れてはならないデイテールというのは確かにあるけれど、その「サークル」で良しとされるか、尊敬されるか、或いは形は似通っているが「偽」だとされるかは、その価値観みたいなものを根拠にしている、



この「価値観みたいなもの」を説明するのに、例えば日本人にとっての「美味い蕎麦」というのを思い浮かべてもらえれば、少しは掴みやすいだろうか、
蕎麦は蕎麦粉で出来ている、ただこれだけだが美味い蕎麦はなんとも清冽で美味い、
駅前にある立ち食い蕎麦屋の蕎麦は、不味くは無かろうが、何か本物ではない引け目も感じる、コンビニで売られているプラスチックの容器に納められた蕎麦は、便利であろうがこれが本物の蕎麦だとは言い切れない、

粋な蕎麦屋の純粋な蕎麦粉で打たれた美味い蕎麦を根拠として、尊敬できる蕎麦、良しとする蕎麦、「そうではない」ものを思い浮かべれば、少しは感じとれるだろうか、


「クラシック」というのは、そういうもので、その根拠になる「価値観みたいなもの」と繋がっている、問題はその根拠となる「本物の清冽で美味いもの」を知っているかどうかで、それは蕎麦のように慣れ親しんでいなければ本当のところは分からない、



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蕎麦 に例えたのは、結局、本物の蕎麦ならやはりモリやカケが美味いと思えてくるように、クラッシックはその元にある純粋で清冽なものに意味があって、チェンジポケットやハッキングなんとかやゴテゴテとデイテイールを盛り込めばクラシックというものではない、

つまり、あくまで「美味い蕎麦」という基本があって、そのバリエーションとして鴨南蛮やおかめがあるということで、元が崩れていては箸もすすまない、

大切なところは、その純粋で清冽な根元をおさえているかどうかだと思う、それが「スタイル」と呼べるものなのは考えれば分かる、



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簡単に言えば、「クラッシック」というのは、そういう「ソサィエテイー」の中で良しとされ、尊敬される服や靴のことだと云える、


何故、良しとされ、尊敬されなければいけないかと言うと、それは「社交」という背景をもっているからだ、社交における服や靴は、マナーだけでなく、もっと積極的に自分を高め、社交を上手に行うための重要な役割を担っている、


だから、チェンジポケットがついているから、「クラシック」というわけではない、大切なのは、仕立てるならば「尊敬される」(一目おかれる)服や靴を数は少なくともつくることで、それは私自身が身に沁みている、



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さあ、ここからが説明するのに難しい、多分、誤解を花粉のようにガンガン振りまいて、幾多のクシャミを呼び起こすことだろう、


これは、考え方からデイテイールまで総合的に絡み合ったものを、その部分ごとに説明していくと、例えば象を知らない人に「象」というのを描写していくのに似て、尻尾は尻尾のことを、長く伸びた鼻は鼻のことを語るうちに、結局、知らない人には、長く伸びた鼻のことだけが印象に残ったりする、


だから、先ず個人的な経験に即して説明してみよう、ヨーロッパでは5月になって天気が良くなると「ボールシーズン」という華やかな「社交の季節」が始まる、英国では、「ホール」と呼ばれる広大な田舎の屋敷に篭っていた連中も、社交界のカレンダーに備えてロンドンのアパートに戻ってくる、
ウイーンでは、ロンドンより厳密に運営される社交界のカレンダーに備えてテーラーたちは、テイルコートの仕上げにおおわらわとなる、



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ああ、そうだこういうことを思い出した、若いときに、ウイーンではクニーシェなんかよりズット歴史の古いテーラーで最初のスーツを頼んだときのことだ、このテーラーも、すでに店を閉じてしまって久しい、壁にはエドワードⅦ世のロイヤルワラントをはじめ、いくつかのヨーロッパの王族のワラントが恭しく飾ってあった、

採寸が終わって、お茶がでてきて(ビールだったかも知れない)少しゆったりしていたら、そこのマスターテーラーがやってきて、おもむらに、「ところで、『エレガント』なスーツになさいますか、それとも『インターナショナル ルック』になさいますか、」と尋ねられた、


正直いって、若い私は、スーツに「そんな区別」があるとは思いもしなかった、


私は、その意味するところをはっきりとは知らないまま「エレガント」なスーツを頼んだ、聞き返せなかったのは、まだ私が若く世慣れてもいなくて、それに店の雰囲気もあって、白状すると、なんだか気恥ずかしかったからだと思う、


それから、スーツの仕立てを重ねるにつれて、その意図するところが私にも分かってきた、「エレガントなスーツ」というのは、この店のハウススタイルで、ここの人たちは、サビルローなどとは違うということに固い矜持を持っていたのだ、


これは、イタリアとか英国以外のテーラーでは珍しいことだ、その「エレガントなスーツ」はまさしくベルエポックの優雅な時代を思わせて、非常に柔らかく、優美だった、ウエストコートが着ている間にズレないようにトラウザーズに繋ぐ「ベロ」のようなものなど、今まで見たことのない古のデイテイールも潜ませていた、


サビルローはショルテイのドレープスタイルで、それまでのエレガントなスーツの歴史から、一度、転換している、モダナイズされているのだ、だからこそ、紳士服のメッカとして「流行」の震源地となったわけだが、それは、厳密にいえばエレガントなスーツの歴史から「シビリアン スーツ」への転換でもあった、


ここら辺りの認識は、日本では何故だか明確にされていない、


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私の経験から云うと、いまやテーラーで確かに「ハウススタイル」と呼べるものを持つところは極めて稀で、それは、「美味い蕎麦」のような根拠となるものが、あやふやになってきていて、それを知る人もいなくなったからに他ならないと思う、

しかし、スーツのスタイリングにはハッキリした「根拠」というのが必要だとも思う、クライアントがテーラーに求めるものは、仕立ての技術はもちろん、そこに頼めばクラシックで確かなものができてくるというのにあるようにも思う、そこに、愉しさもある、自分の知らなかったエレガントなものに触れるのは愉しい、


ハウススタイルを持たないというのは、一見、なんでも出来ると云っているように見えて、実は何か大切なものを捨ててしまったように思えて仕方ない、

昔は、「そういう暮らし」をしているエレガントな顧客がいたから、その注文に応じているだけでも良かった、だけど、今の社会では、テーラーに充分な知識があって顧客の意見を尊重しながらも導き、提示していくことに重点が移っているように思う、みんな迷っているのだ、私もそうだった、、


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六義のハウスタイルについては、実に様々なことを考えました、しかし結局は、私自身の経験を基にすることにしました、


エレガントなスーツを求めて、着心地の良いスーツを求めて、格好良いスーツを求めて、どこに出掛けていっても一目置かれるスーツを求めてさ迷った経験や、

或いは、ボヘミアンな我侭に暮らしたジェントルマンズクラブのバールームでクダを巻いていたロンドンの深夜や、ローマやパリのナイトクラブで朝方まで騒いで外に出ると美しく眩しかった朝焼けの空などの「時間と暮らし」を、

「根拠」にしています、それが私にとっては、一番、正直で、しっくり納得できるように思えました、

そして、あまり他では見られないようなデイテイールも確かに潜ませてもいますが、大切なのは「美味い蕎麦」のようなしっかりした「価値観や考え方」にあるように思います、


私はどうしても、お話したこの「ソサィエティーのクラシック」というのに魅かれるので、やはり、そうしたソサィエティーで尊敬される仕立てを基本にテーラリングを設計しています、それは、嗜好というよりは私の偽ざるクセとか性(さが)とかというもので、染み付いていてそこに自分がいるように思うからです、
半世紀の間に染み付いたものは、人のクセと同じように容易には変えらず、そしてその人にとっては極く自然のものです、


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その一方で、60年代から70年代という純粋に価値感の革新があった時代をリアルタイムで経験している私は見た目よりは革新好きです、ここであえてそう云うのは、私はビスポークは「生きている」と思うからです、そのライブ感には、常に「革新」を意識することが大切だと実感しています、これもまた、私のクセのひとつです、


結局はウルサイ顧客であり、「着手」である私は、それに答えてくれる「生物」としてのビスポークの「逞しい生命力」みたいなものに期待しているのです、、それが、ビスポークの愉しみを生み出し、ワクワクさせ続ける種子だとも思います、


それは、例えば「100年素材」で、今までみたことのない素材への無謀ともいえる挑戦だったり、「サファリジャケット」や「スポーツトラウザーズ」という、いまのビスポークテーラーはあまりやらない「クラシック スポーツ」への拘りだったりします、男は、スーツばかり着ているわけでもありません、ただ、いつも着心地良く、エレガントで好みを反映した姿であるべきです、


それが、例えば、ジャケットの裏地には「極上のシルク」にこだわりますが、フルライニングにしたトラウザーズの裏地は、静電気を起こさず、伸び縮みのする特別の「化学繊維」だったりします、どちらも、それがベストだと今の私は思っています、


私は歳とっていますが、それでも私の「経験」はまだ続いています、
そして、紙の上の「企画」とは違って、私という生身の人間の好き嫌いを基本にする限り、その「革新」と、クラシックへの拘りは自然の均衡を探して矛盾なく共存していくように実感もします、


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ハウススタイルのデイテイールについても少し触れておきましょう、ただ、これは、私が「着たり」、「見たり」、「暮らしたり」という経験を「根拠」としています、そこには、明確なクラシックの文法にのっとったものと、経験を背景とした「好み」というものも混ざっています、ここが誤解されやすいところだと思います、



例えば、私は肩パッドを厚くいれた「スクゥエアショルダー」というのが好きではないのです、
どうしても優美な「なで肩」に魅かれます、仕立ての都合では、「スクゥエアショルダー」が前肩をつくりやすく、やりやすいのですが、どうしてもダメなのです、肩のラインというのは、とても大事で、自分の考える優美なクラシックのプロポーション(優美ななで肩から胸の立体的な膨らみ、やはり立体的に絞られたウエスト、上着のラインにそのまま繋がってストンと落ちるトラウザーズ、、、)には、そうでなければ「イケナイ」のです、

しかし、理想の「なで肩」に恵まれた方ばかりではありません、いや、むしろ「そうではない」方が多いと思います、実際、私もハンガーのような「いかり肩」です、それを、いかに矛盾なく優美な「なで肩」のラインに見せるかということに、様々な「技術」を尽くしていつも腐心しています、



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同じように、履いていて身に添うように着心地がよく、美しい理想のトラウザーズを私はズイブン探し求めました、
とくにブレーシーズ仕様のトラウザーズはいわば「シャツ」のように仕立てるべきで、貴方が想像するよりズット、立体的で柔らかいものです、(内ベルト式のトラウザーズはウエストで絞める構造上、少し芯を硬くしますが、)
六義で仕立てているトラウザースは、多分、他とくらべても特徴的だと思います、それは、自分自身が永年、不満を抱えてきたからに他なりません、トラウザーズの仕立てへの拘りは、正直にいって私自身のためでもありました、



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私はもっぱらブレイシーズを愛用しています、それは、ノスタルジーだけではありません、

愛用する理由は、ブレイシーズで吊るすトラウザーズが最も美しいラインを生み出せ、着心地も違うからです、
ベルトで絞めるものとは構造も仕立て方も違います、

ただ、「生み出せる」ものであって、当たり前ですが、ブレーシーズで吊ったからといって美しくないトラウザーズは美しくはありません、ここを間違えてはいけません、単にブレイシーズ用のボタンが付いていれば良いというわけではありません、


ブレーシーズで吊るす意味は、トラウザーズが「落ちてこない」ことにあります、ベルトで絞めるものは、どうしても履いているうちに「落ちて」きます、サイドアジャスターは、固定するという意味では、ほとんど機能的とはいえません、


ブレイシーズ仕様のトラウザーズはウエストも非常に柔らかく仕立てられます、ウエスト周りもあえてジャストフィットにはつくりません、微妙に余裕をもたせています、腰裏にはお腹周りをフラットに見せるために、裏地と同じシルクを張ります、

そして、落ちないということは、そのウエスト位置を基準として、上着との繋がりのなかで美しいラインを工夫していけるということです、


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人間の脚はそれぞれでクセがあります、例えば重心のかけ方や経験したスポーツなどによって、左右のお尻の肉のつき方が違っていたり、歩くときの足の出し方も違います、ふくらはぎの発達の仕方も違います、

トラウザーズは、裾幅に関係なく、ストンと真っ直ぐ落ちるべきで、どこかでもたついていたり、変に余分な皺がでるのは美しくありません、第一、動くのにストレスがあると思います、あくまで身のこなしに添うようにエレガントに真っ直ぐと落ちなければいけません、

シャツのように仕立てるというのは、それぞれの脚という立体に即して裁断を工夫し、アイロンワークでクセをとり、結果、美しいエレガントなラインをつくっていくということです、これには、熟練した眼をもった入念な仮縫いと、手間ヒマのかかる仕立てが必要です、


私の経験からいうと、上着に対する着心地やスタイルについてはある程度「意識」をもったテーラーはいますが、トラウザーズについてはその「意識」がテーラーによってまちまちです、

ただ、着る側としては、トラウザーズの履き心地はとても気になるものなのです、私は20年前に理想の裏地をみつけてから、トラウザーズはフルライニングにしていますが、それだけでも履き心地は変わってきます、ただ、フルライニングにすることで、アイロンワークはやりにくく、仕立ての技術も手間も格段に必要とされます、


トラウザーズは上着との関連であるものです、いくら上に気を使ってもトラウザーズのストンとまっすぐに落ちる美しいラインがなければスーツは美しく完結してくれません、
そして、トラウザーズのラインは、スタイルによって微妙に変えていきます、それは、単なる裾幅の違いだけではありません、

履いて、美しいラインを描くトラウザーズというのはなかなか少ないものです、私の醜い脚が少しはエレガントに見えるのは職人の仕立ての技のおかげだといえます、そういう意味では、トラウザーズこそBespokeの仕立ての粋や、テーラーの美意識が現れるものなのかもしれません、


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ハウススタイルについて語りだすと切りがないですね、あとは、お会いしたときのお愉しみとしておきましょう、


最後にひとつ、私はスーツの数だけブレイシーズを持っていると思います、旅にでるときも、もっていくスーツの数だけブレーシーズを携えていって、部屋を訪れた友人を呆れさせます、

しかし、少し言い訳すると、これは、何もスーツの柄や色に合わせ余分なお洒落を愉しんでいるだけではありません、

トラウザーズによって、微妙ではあるのですが、やはり調整が違うのです、仕立てたテーラーが違ったりすると、これが意外に差があるものなのです、ブレイシーズというのは、仮縫いをしながら完成したトラウザーズにあわせ、テーラーといっしょに長さを調整すべきもので、金具も胸元のベストな位置にくるように直してもらうべきものなのです、

そして、一旦調整された、そのベストな位置の金具をズラすことは避けるべきです、第一、まともなブレイシーズならば絹で出来ているはずで、下手に何回もズラすと金具の醜い跡がつくはずです、

着こなしの上手な人が、見えもしないのにスーツ毎にブレイシーズを変えている本当の理由はここにあります、


ちなみに、六義のトラウザーズは裾は「ハーフターンアップ」、脇には上から下までプリーツを走らせ、その両脇には「目立たない」ようにハンドステッチをいれています、

独特な意匠ですが、それには理由もあります、プリーツは側章の名残りとして、ハーフターンアップは前裾にクッションをあまりつけたくないので、裾をかなり急角度なカットにするためです、もちろん、腰周りで布を切り返すことなどしません、あれは、品があるとはあまりいえないと私は思っています、、、




「ロマノフ家、プリンス オブ ウエールズ夫妻を訪れる、」


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by momotosedo | 2009-04-04 07:47 | ■六義の秘密

3月15日(良い天気) DID YOU KNOW? 六義の秘密2.「ノエル・カワードの裏地」





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六義の秘密
裏地、この聖なるもの、
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こういう話を聞いたことがある、
ロンドンのクラブのバールームで悪友たちとクダをまいていた或る深夜のことだ、話というのはノエル・カワードにまつわることで、1920年代から30年代のカワードは鋭くも、怖いぐらいにソフィスケートされたウイットで「ウエストエンドの帝王」として君臨していた、

さて、どこにでも、勘違いしているヤツはいるもので、コイツは、ロンドンの社交界でも少々自分の「ウイット」に自信があった、それで、「ウイットの神様」とも呼ばれていたカワードを一度、ギャフンといわせて自慢話にしたいと常々、機会を伺っていた、



チャンス到来、或るパーテイで運良くカワードと同席したソイツは、差し障りない話をしながらも、抜け目なく隙を伺った、

そして、シガレットケースを取り出そうと、デイナースーツの内ポケットに手をいれたカワードの裏地に、小さな綻びがあることを目ざとく見つけた、

「オヤ、カワードさんでもそんなものをお召しになっておるんですな、」、 その綻びを眼で示しながら、そして、何気なさを周到に計算しながらも、しかし少し咎めるようなニュアンスも忘れずに、ソイツはパブリックスクール出の発音で罠を仕掛けた、


カワードは、ソイツの視線を辿っていって、裏地の小さな綻びを認めるといかにもバツの悪そうな顔をした、二人のやりとりに気づいたテーブルのゲストたちも不躾にならぬよう気を配りながらも、興味深げな視線をカワードに向け始めた、ソイツが「してヤったり!」と心のなかで叫んだのは言わずもがな、気取られないように、しかし本当は息を呑んでカワードの言葉を待った、、、


Coward said、、、

カワードは、バツが悪そうにこういった、


「ああ、お気づきになられましたか、イヤ面目ない、ああ、ご明察の通り、これは私の『人間不信』の烙印です、

実は、馴染みの仕立て屋が、カワードさん、理想の服の芯地を知ってますか、というんですよ、実は、1ポンド紙幣(今の金で約2万円)をフ糊にひたして乾かしたものが、張りもあって柔らかくてそれは最高だってね、

商売柄、私はデイナースーツの仕立てには一家言ありましてね、常々、メイフェア仕立てには不満があったんですよ、それで、ああ良いよ、で、いったいどれぐらい必要なんだね、ソウですね胸周り、腰にかけてのフワっとしたところ、ざっと100ポンドってトコですかね、


っとここで、私はハタと気づいたんですよ、これは新手の詐欺じゃないかとね、
それで、お前、こうしよう、確かに芯地に使ったというのが確かめられるように、裏地に小窓を開けてくれ、
疑われるのは心外だ、分かりました旦那、しかし、あまり大げさな小窓というのも品がない、誰が見ても小さな綻びにみえるように細工しておきましょう、、、


で、それが、この、ホラ、覗いてみてください、たしかにポンド札が見えるでしょう、、、」



ソイツは、思わずカワードの裏地の綻びを覗こうと身を乗り出したが、ふいにカワードが上着を引っ込めてしまったので、勢いあまってテーブルの角に頭をぶつけそうになった、

ソイツの咎めるような上目遣いを、気が付かないふりをして、カワードは絶妙なタイミングでこうひとりごちた、

「ああ、そうだ、今日はデイナースーツを着替えたんだ、失礼しました、これは、単なる、チャンとした小さな綻びです、、、」

そうして、テーブルの客に少し笑みを投げかけると、平然と煙草に火を点けた、、、



札束を裏地に仕込みはしないが、
六義では裏地はシルクと決めている、



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「六義 オリジナル シルクライニング SAXE BLUE サックスブルー」





江戸の粋に「裏すぐり」というのがあるように、隠された「裏」に凝ることは何につけても密かで贅沢な愉しみといえる、

ただし、どんなに凝ってみても裏地は、所詮、脱がないかぎりは、人目に触れることはない、残念ながら、、
しかし、丹念に仕立てられたスーツには、それにふさわしい裏地が張られるべきもので、ビスポークのひとつの「愉しみ」がそこにあると私は確かに考えている、



選び抜かれたシルクの裏地をスーツの裏に密かに隠すことは、いつの間にか忘れられてしまった、もとより、それは極く限られた好事家のものだったのかも知れない、
でも、私は、その贅沢さが懐かしく、好きなのだ、



実際に良い厚手のシルクが張られたスーツを着てみれば分かることだが、「見えない」という理屈を越えて、着る人に「愉しみ」と自信に溢れた「贅沢」を与えてくれる、これは、保障できる、、



それは、仕立てられた服を自分のものに完結させる、最後の仕上げだともいえる、
これゾと思う生地をさ迷いながらも選んだように、それを身に纏う者は裏地を選ぶ責任までを果たすべきで、それにまたもう一度、迷うべきだ、そして裏地には他人の眼に遠慮のない、存分な美意識が許されている、


ひとつひとつのスーツには、それにふさわしい裏地があるはずで、それは、「ひとりひとりのクライアントには、」と置き換えることもできる、、、

いまも、問屋の片隅には、裏地用のシルクというものが売られているが、それは「選び抜かれた」というにはチョット気がひける、



アトリエには、ビンテージ生地とともに裏地として使おうと70年代の後半から、ことある毎に手に入れておいた様々な厚手のシルクがある、それはロイヤルブルーのペイズリー模様だったり、渋い小紋柄だったり、少し織り柄のある大人に相応しい上等のスノーホワイトだったりする、


中には、30年代にワースやデイオールなどのクチュリエに生地を納めていた、フレデリック・アッシャーの渋いゴールドのシルクも棚に眠っている、



時には、70年代に織られたカルロリーバーのシックなマルチストライプを、チョークのピークドラペル2つボタンのスーツの裏に、それに合わせるダブルブレストのウエストコートの背にも張ってみたが、それは色合わせとしては絶妙だったが、いくら絹のようにタイトに織られたコットンといえども、「滑り」に難点があった、


やはり、シルクが良さそうだ、


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裏地で大切なのは、先ず、その「質」である、

ただ、すでに理想とする質と重さのシルクは、年々手に入りにくくなっている、それが今の世の中なのだ、
それで、今年からは、テーマを決めて、理想のシルクの裏地をひとつづつ織らせることにした、



今回は、上の写真の「サックスブルー」で、今年は、この忘れ難い綺麗な青をテーマにしている、

このシルク生地は、しなやかさと同時に少し張りもあり、普通の裏地よりは、少し匁の重いものにしてある、それが私の好みのなのだ、
そして、撚糸で織って、皺の寄らない工夫もした、


「サックスブルー」という色は、色の濃淡に限らずネイビーやグレイなど男らしいスーツに抜群に相性が良い、単なるブルーとは違って、その組み合わせは「上品なエレガンス」と呼べる「空気」を生み出す、私の好みは、ダークネイビーのチョークストライプスーツとの組み合わせだ、

良い色の「サックスブルー」を探すのに苦労するように、良い色の「サックスブルー」を織り出すのにも苦労した、



























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by momotosedo | 2009-03-15 14:17 | ■六義の秘密

3月10日 DID YOU KNOW?   六義の秘密 1. 「裏メニュー」







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裏 ・ メニュー
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の切れ目を縫って、先日、おいしい焼き鳥を食べに誘われた、なんでもジビエもあるそうだ、痩せなければいけないのだけど、「焼き鳥ジビエ」、、愉しみ、愉しみ、、、


フランス料理屋がやっているという、その焼き鳥屋はビルの上にあって意外に狭いけれどビストロ風といえなくもなかった、ただ、残念なことに「ジビエ」はシーズンがすでに終了しているとのこと、

それでも、ウズラやもろもろ、ゴマ豆腐の揚げ出し風と、不思議にフレンチ風の小技も効いていて、もともと日本の炭火で焼く「焼き鳥」は、昔から東京に戻ったときの愉しみにしていたので、満足出来た、
それにしても、ジビエも食べてみたかった、それで店長にシツコク聞くと、やはり12月末、歳の瀬が一等、材料も良いとのこと、「そのときには、メニューには載りませんが、部位と部位をつなぐ、名前はわかりませんが特別な部分を焼いたりしてお出しもします、いわゆる裏メニューですね」、なんとも愉しみじゃないか、


ところで、我がアトリエにも「裏 メニュー」が存在する、

それは、「カルソン」、ビスポークトランクスである、


f0178697_235724.jpg良い「カルソン」を探そうとすると苦労する、いや、男のシャツと同様、素材を含めてまっとうなものを手にいれるためには、身体にあわせて注文するしかない、

この「カルソン」は、もちろんフルハンドメイドで極めてクラッシックな作法でつくられている、
右の写真は、私のブルーストライプに白い衿のシルクのシャツに合わせてつくられたシルクのカルソンである、クレリックシャツにあわせて、左右で絞るリボンは白いシルク、そして前側の裏地も白のシルクが張られている、

シルクの身体にあったカルソンは、履いたときに少しヒンヤリとしてすべらかで、これは履いた人しか分からない豪奢な気分が味わえる、ピンク(!)の絹の特別製のカルソンを愛用していたというチャーチルの気持ちがよくわかる、







f0178697_23525846.jpg我々は顧客のデーターを徹底的に解析しているので、カルソンも身体にあわせて立体的につくられるのは無論のことだ、

そして、柄あわせ、味わいのある前ボタン止め、お尻の切り替えしなど、極めて古式にのっとて丁寧に縫われていく、
リボンで左右でアジャストするのが、最も着心地が良い、ビスポークなので、快適なフィット感がある、




f0178697_2353576.jpgシャツと同素材のカルソンというのは、誰にみせるというわけではないが、そこには、日々の「贅沢」があると私は思う、心を豊かにしてくれる、

なにより、ビスポークのカルソンは、履き心地がやはり違う、既成のトランクスと比べると、その立体性と細かい配慮の次元に雲泥の差がある、これは、自分で試して工夫を重ねた、




f0178697_23545160.jpgただし、この「ビスポーク カルソン」は、クライアントからはオーダーできない、「カルソン」だけの注文も、もちろん受け付けていない、

私が「カルソンはどうしますか」と尋ねたときのみ、オーダーを受け付けている、「裏メニュー」とはそういうものです、

手縫いのカルソンは縫うのに驚くほど手間と時間がかかるが、値段は驚くほど安い、これは顧客の方へのプレジャーとして私は考えています、





六義の秘密」は、この「ビスポーク カルソン」だけでなく、実は裏メニューは他にも密かにポケットに隠し持っています、しかし、それは今は秘密にしておきましょう、「前触れなく突然或る日、現れる、」それが愉しいんだと思います、


初めてアトリエを訪れて頂いて、ビンテージの布のコレクションや、テーラリング、ハウススタイルに触れて頂いたクライアントの方からは、後日、仮縫いの打ち合わせなどでメール交換をしていると、必ず「魔境」のようなとか、「迷宮」のようなという言葉を頂きます、、、これは本望です、我々は実際、「魔境」や「迷宮」を目指しています、ビスポークの際限なく深い「愉しみ」を味わって欲しいと、それを願って研究し、探索し続けています、


どこかに、ゾクゾクするような店があるのは、都会の愉しみです、


60年代~70年代のロンドン、ニューヨーク、一部のパリには、服や靴だけでなくそういう店がまだありました、それは、ホントに私にとっては愉しみでした、

いまや、それはメガブランドやなんやかやで、跡形もなく消えてしまいました、ある種の「街殺し」だと嘆く人もいます、


消えてしまったのは、「何」なのか、それは店という形をしていますが、もっと大事なものです、、、











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by momotosedo | 2009-03-10 01:40 | ■六義の秘密