10月12日   ゲイリー・クーパーの6ボタンスーツ



百歳堂日乗



dandy style
GaryCooper
百歳堂 |  ゲイリー・クーパーの6ボタンスーツ





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サビル ローをさ迷った、そう、20代の若い私はこの写真を手にしてサビル ローをさ迷った、(この辺りの事情は、こちらを、、)多分初めて、どうしてもこういうスーツを手に入れたいと思い込んだのが、このゲーリー・クーパーの6ボタンスーツだった、

それまでも、スーツを誂えてはいたけれど、正直に言ってそう意識的なものではなかった、

幸運だったのは、当時のサビルローは若者を暖かく街全体で迎えてくれる度量があったことで、行く先々のテーラーのおじさんたちだけでなく、「仕立て屋好き」の古参の顧客のおじさんたちからも真面目に、かつ愉しげにアドバイスをもらった、「服の番人」と呼ばれるこの通りには、かつて不思議な連帯感があったのだ、良い時代だった、

結局、そのおかげで私は一人のパーソナルテーラーと出会い、「目から鱗」で、それ以来、他人の姿に憧れることもなくなった、自分のスタイルを探し始めたのだ、


さて、この思い出深いゲーリー・クーパーの6ボタンスーツ、

先ず、当時、若手スター候補であったゲーリー・クーパーという肉体に合っている、クーパーという役者は、ハリウッド俳優のなかでも恵まれたプロポーションの持ち主だった、広めにとったステイトメントショルダーからシェイプしたウエスト、何より、スーツ姿から颯爽としたエネルギーが伝わってくる、この「颯爽とした」格好良さが、当時の私を捉えたのだと思う、

いまの私なら、同じ6ボタンスーツでも、この写真のようなステイトメントショルダーではなく、もっとなで肩にみえるソフトでエレガントなショルダーラインを選ぶと思う、でも、新人俳優だった頃のゲイリー・クーパーには、確かにこのステイトメントショルダーが溌剌としていて似合っている、しかし、これはクーパーという長身痩躯の肉体と、その若さのうえでバランスが取れているとも云える、事実、壮年期のクーパーのスーツは、写真で見る限り自然ななで肩の「ナチュラル」ショルダーに変わっていく、

ショルダーラインは拘るところで、基本的には「優雅ななで肩」が生涯に渡ってそのエレガンスが長続きするものだと私は考えている、人体の肩のクセは様々で「ナチュラル」で「優雅に」見せるためにはあらゆる工夫が必要となってくる、それはカットの工夫、縫い、資材の作り方とテーラーの持てる技巧と創造力を結集してつくられるいわば「見せ場」なのだ、




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by momotosedo | 2008-10-12 04:53 | ■dandy style


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