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8月2日(熱帯夜) 続 世界のあちこちから コメントが欲しい








MOMOTOSE
DO A DAY






昨日の世界のあちこちからの電話で、思い出したののは「ド・セルビイ主義」という言葉で、これはご存知のようにド・セルビイという人がいて、彼は一種の百科事典派で家に篭りきりだったが、一度も出掛けたことがない国も、あらゆる文献を調べて誰よりもよく知っていたという、それで、架空の旅行、架空の体験主義を「ド・セルビイ主義」というようになった。


これを、現代の日本ではオタクというのかもしれない。
オタクの実態を知らないので、現代のオタクはけっこう活動的なのかもしれないから、「引き篭もり」と言おう、いまやド・セルビイ氏のように幾多の文献を探るという煩雑な作業を経なくとも、パソコンの検索エンジンである種の基本的な「情報」は易しく手に入る。

しかし、パソコン画面にあらわれる情報は、ほとんどがB級の情報、言い方が悪ければ固定化された二次情報で、それを吸収しすぎると演繹的な思考しかできなくなってしまう。

食事でいうなら、悪い、古い油であがった揚げ物を食べ続けていくようなもので、思考の血が濁って、重くなっていく。
これは、一種の新しい現代病といえる。思考の「引き篭もり」ともいえそうだ。


いみじくも、引き篭もり経験のある芸人が、「ラッキーだったのは、あの時代にパソコンが普及していなかったことです。パソコンがあったら、引き篭もりから抜けだせなかったかもしれない。」と言っていたのがリアルであった。


人の食事には、新鮮な取れたて野菜が必要で、思考もまた、フレッシュな血液を維持するためには、どんどん出掛けていって体感を重ねていくしかない。


そんなことを考えたのも、この「百歳堂毘日乗」もスタートしてから2ヶ月が過ぎたからで、「六義庵百歳堂」とは違って当初、気軽に日常を記録にとどめていこうと思っていたのだが、内容はともかく、形式としては「普通」だなあ、と感じはじめたからだ。

それで、気づいたのが、このブログだけは、コメント欄を用意していることで、大変、我侭ですが、ドンドン、コメントを頂きたいと思います。

しかし、卑劣なものや品の悪いものは、ご遠慮したい、そして、できればチョット凝ってみて欲しい、ユーモアがあればなお有難い。何も、私が書いた内容に関連していなくても結構です。



、、、そうこうしている内に、TIさんから、早速、コメントを頂きました。TIさん、有難うございます。


「なんともデ・ゼッサントのようなブログですね。」



これは、なかなか深いコメントですね。デ・ゼッサントはユイスマンスの「さかしま」の主人公、世の中に退屈した、或いは世の中のインチキくささに辟易した彼は、フォントネエ・オー・ロオズの高台の一軒の家を買い、それを自分好みの「人工楽園」に仕立てあげて行く。

ギュスターブ・モローの「サロメ」を手に入れ、そしてルドンの版画を飾る、、そして甲羅に宝石を象嵌させた巨大な亀を飼う、、、深読みかもしれませんが「デ・ゼッサントのような」とは、確かに私の嗜好をついているように思います。お見事。一時の私は、ブログのなかに「人工楽園」を作ろうとしていたのかも知れません。

















by momotosedo | 2008-08-02 23:35 | ■百歳堂 a day


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