3月7日  超100年素材 「キャバリーシルク」 二重織り  クリースレジスタンス 限定2着のみ






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「Cavarly Silk」
最強のシルク




ちょっと、 変わったものを織ってみた、「キャバリーシルク」である、

ただし、「キャバリーシルク」という言葉は実際にはない、私がつくった言葉デス、つまり、最強の素材「キャバリー ツイル」をシルクで織るという「100年素材」でも、今回は、割りと(?)、「無謀」な部類に入るミッションである、



最強のウール素材、古の「キャバリーツイル」を、シルクで織れば頑丈かつしなやか、かつ肌に優しくオーガニックで、さぞや素晴らしいことだろうと思いついたのは、ニューヨーク37丁目のユニオンリーグクラブのクラブルームで古い「スポーツイラストレイテッド」を読んでいたときだ、

「天啓」は突如として舞い降りる、



無謀な試みには、人間としてのチャーム(魅力)と、したたかに用意周到な準備が必要なことは云うまでもない、


先ず、60年代に織られた本物の「クラッシック キャバリー ツイル」は幸いなことに手元にある、これで、本物の「タッチ」は確認できる、

そして、我々は或るミルで、「キャバリーツイル」の織り方のレクチャーを受け、それを徹底的に解体し、起こるべき「問題点」を予測した、

念のため、隠居中のかつて世話になったパーソナルテーラー翁にも電話をいれ、「古の本物と今のものの違い」など、「敵」にあなどられないための知恵も収集した、

あとの「人間的魅力」については私は根拠のない自信を持っている、それで適わない場合は美人助手の「色香」(ゴメン)という最後の手段もある、私には勝算があった、



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さて、その前に私が何故、こんなコトを思いついたかをお話ししておかなければならない、

どうしても、私には、高速織機が導入され番手の高い生地が全盛を誇るようになって、「良い生地」という概念が非常に単純化されてしまったように思えて仕方がない、


愛書家が、東西の稀刊本や歴史的な初版を書棚に積み上げて悦にいるように、ビスポークの愉しみのひとつは選び抜かれた生地の迷宮に迷うことにある、そして、一着、一着、得がたい素材で仕立てられた愛用品が、クローゼットに増えていくことに密かな悦びがある、


自然の草花の色を映したツイードや手織りのハイツイスト、見たこともないような質のものが遠い時代にどこかで織られたりもしている、そうしたものを見つけ出して、丁寧に自分に合わせた最上の仕立てで生涯の愛用の品を創り上げるのが「ビスポーク」だといえる、



しかし、いまや、一般的な生地の選択は番手がそこそこ高い単純な平織りのストライプか無地のもの、「ツイード」や「フランネル」が流行ったとしても、どういうフランネルか、どういうツイードなのかという追求はない、どうも平板に思える、人に例えれば話題も表情の魅力もない、話してもツマラナイ奴に思える、

人が泣いたり笑ったりして、豊かな人間性を積み重ねていくように、探しあぐねたり、織りを追及したりという経験がともなわないところに、コンテンツ(内容)は生まれない、何が良いのかも分かるはずもない、




結局、実は「生地」という奥行きをみんな知らないんじゃないか、クライアントもテーラーも実は生地屋も含め、何が「本当」に良いのかどうかさえ分からないのではないか、、つまり、眼をつむって歩いているようなもので、「情報」という耳に聞こえるものに右往左往させられているだけではないかと、、、、、


はたして、貴方は自信をもって「生地」を知り尽くしている、分かると言い切れるだろうか、


こうして、全世界的にテーラーの「織り」についての知識が決定して乏しくなった、
テーラーそのものが生地の実際を知らなくて、拘りをなくしてしまったので本物を見分ける眼も失われた、


これは悪循環で、生地に拘りがないから様々な織りのものを仕立てた経験も乏しくなる、しかも、バンチという「与えられた見本」に頼っている限り、それは変わらない、様々な「織り」を捜し歩いたこともなければ、実際に手にとったこともないだろう、


番手の高い生地が悪いというわけではない、しかし「良い生地」というのは番手だけじゃない、クラッシックでは用途に合わせて様々な織りがあり、そして「ツイード」と一言では片付けられないほど、古のものには美しい様々な織りの工夫がある、良い糸で織られた、良い織りのものは番手の高さとは違う次元で「良い生地」としての圧倒的な存在感を持っている、




これは、何かに似ている、こうしたことを我々は何度も経験してきたような気がする、本物のキュウリが手に入らなくなったように、昔の記憶にある干物の魚の味わいが消えたように、うっかりしているうちに、生きる愉しみのひとつひとつを失くしていく、





ビスポークの愉しさは、本物の生地と出会いそこから自分の一枚を選ぶことにもある、そこには、迷うほどの選び抜かれた美しい生地が揃っていなければ愉しみは半減してしまう、



「100年素材」で試したいと思っているのは、このいまや完全に知り尽くしていると自信を持って云える人は少ない、古の「織り」の様々を徹底して探っていって、解体し、さらには未体験の次元に上げていくことにある、


つまり、ビンテージの「織り」そのものを「復刻」することには、さらさら興味がない、


だって、私は自分で捜し歩いた古のビンテージの名品にすでに囲まれている、それでも、満足のいかない点を越えてくれるものをつくりだしたい、そうじゃなきゃ「革新」というものは生まれない、



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キャバリー ツイル」は、忘れ去られようとしている古の「織り」である、高番手の繊細な生地の対極にあるものだろう、多分、あまり人気がないのかもしれない、それより、知られていないのかもしれない、しかし、これほど「織り」の意志がはっきりしていて、その意図された用途において優れているものはない、



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「キャバリーツイル」はハイツイスイトのギャバジンの二重織りで頑丈だが、その特徴は「弾力性」にある、「柔らかい」というのとは違う、目が詰まって弾力があるのだ、



f0178697_12141100.jpg誤解を恐れず例えるなら、ここにゴムを薄く延ばして生地状にしたものがあるとする、真ん中をギュっと手で強く掴んでも、手を離すとサッとゴムは皺ひとつ残すことなく元に戻る、これが「弾力性=復元性」で、「クリースレジスタンス」ともいう、

「クリースレジスタンス」を持つものは、他にもあるがバリバリと硬いものも多い、「キャバリーツイル」の良いところは、弾力を持つ「柔らかさ」があるということだ、





しかし、私にはまだその「柔らかさ」に不満があった、その頑丈さと、復元性はそのままで、もっと、しなやかで、美しいドレープを描くものが欲しかった、

そこで、思いついたのがシルクでこの「キャバリーツイル」を織ることだった、


シルクは、このブログでも何度も繰りかえしているように、元来、天然素材のなかでも繊維の長い丈夫な糸である、それをハイツイストで二重織りにしてみると、かなり目が詰まっているが、驚くほどしなやかなものに仕上がった、それは当初の「キャバリーツイル」という質感を裏切るものでもあった、

何事も、やってみないと実感できないものだ、織りあがった生地は、「キャバリーツイル」という「手本」から離れて、独自の素材感をもっている、


厚いシルクはともすると、硬くなりがちだがこの二重織りは、極めて復元性に優れているが、すべらかである、ちょうどデイピオーニを肉厚にしてスラブを無くし、滑らかな表情を持たせた、と云うと実際に近いと思う、


二重織りにした段階で、この素材の面白さを生かすためには、斜め63度のツイル織りはかえって用途を限定してしまうように思えて、表面をシンプルにつや消しのマットな表情に仕上げることにした、これならば「スポーツ」に捉われず、エレガントなタウンスーツとしても納まる、色は、クラッシックな「トープ ベージュ」にした、


そして、この「キャバリーシルク」は、デイピイオーニ同様に、ウールウーステッドよりも美しいドレープを描く、







超100年素材
「BESPOKE キャバリーシルク クラッシックスーツ」 2着のみ
好事家仕様 キャバリーシルク(シルク 100%)製

(仮縫いつき、フルハンドメイド、)

¥370,000-(税込価格¥388,500-)


「BESPOKE キャバリーシルク クラッシックトラウザーズ」 2着のみ
好事家仕様 キャバリーシルク(シルク 100%)製

(仮縫いつき、フルハンドメイド、)

¥95,000-(税込価格¥99,750-)




*僭越ながら完全予約制です、お越しになる際には、eメールかお電話での事前のご連絡をお願いしております、

問合せ先 e-mail bespoke@rikughi.co.jp
phone 03-3563-7556
telefax 03-3563-7558





copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi Hanakawa


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by momotosedo | 2009-03-07 14:36 | ■100年素材


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