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3月5日  東京おぼえ帖 3.  「雲の上は晴れているさ、」





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dreamsTearsぼえLament&Youぼえ

dreams、、tears、、lament、、& You、、TOKYOSONGS、、
copyright 2009 Ryuichi Hanakawa






安田は、抜群の身体能力を持っていて、子供の時は鉄棒が得意だった、放課後の校庭で背伸びをしても届かない鉄棒にラクラクと飛びうつり、クルクルと美しい大車輪を披露して私たちは感嘆した、


東京に戻ってきて大学に通っていたとき、綺麗な女の子を街に見つけにいくときには、安田と連れ立っていた、


平田もハンサムだったが、女の子たちは、安田の天才的な運動神経の魅力を初対面でも敏感に感じ取っていた、そういう匂いがするのだろう、





その夜は、安田の提案で新宿に遊びにいった、安田は高校が新宿だったから歌舞伎町は安田の遊びなれたホームグラウンドだった、当時の新宿高校は進学校にしては変わっていて「遊び人」が多かった、他の高校よりは、少しヒネた大人びたような連中が多くて、今思えば、「時代の空気」を感じさせるところがあった、

その夜、安田と会ったのは女の子が目的というわけでもなく、安田が「チョット、相談がある、」と言い出したからだった、



安田は、一浪して早稲田の政経学部に通っていた、平田とは違う意味で、安田なりの「センス」を身に着けていて、大学では「優駿クラブ」という競馬の同好会に入って、夏休みには北海道に馬を見に行くから、一緒にいかないかと誘われたこともある、


分厚い、馬の血統を示すなんとかという辞書みたいな本を時折携えていて、喫茶店で待ち合わせると読みふけっていたりした、その頃、流行っていたデイスコにも安田なりの分析と一家言があって、「あそこの箱には、綺麗な娘が集まるが、ここに集まる娘はダサい、けど不良っぽい娘がいるから口説きやすい、」とか「実地の知恵」があって、飄々と遊び慣れた安田と出歩くのは愉しかった、

そんな安田と「相談」という言葉は、いかにも意外で似合わなかった、いったい、何を私に相談したいと云うのだろう、、、



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copyright 2009 MOMOTOSEDO, Ryuichi Hanakawa

by momotosedo | 2009-03-06 02:16 | ■東京おぼえ帖


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